2004 Fiscal Year Annual Research Report
持続的電気刺激が単一運動単位の筋疲労抵抗性に及ぼす効果
Project/Area Number |
15700375
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 尚文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255568)
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Keywords | 持続的電気刺激 / 筋疲労抵抗性 / 筋線維タイプ / 単一運動単位 / ラット前頸骨筋 |
Research Abstract |
正常ラット(8週齢オス、Wistar系)の背部に、独自に作製した持続的電気刺激を行う埋込み電極を埋込み、刺激電極を左側の腓骨頭付近に埋め込み、左側前脛骨筋を持続的に3週間にわたり電気刺激した。検討した刺激パターンのうち、疲労抵抗性を最も高めたのは20Hzのみからなる刺激パターンであったので、以下の実験ではこの刺激パターンを採用した。 腓骨神経を解して単一運動単位を電気刺激し、その筋張力を測定し、運動単位を疲労指数によってfast fatigue-resistant(FR)、fast intermediate(FI)、fast fatiguable(FF)に分類した。つまり、疲労指数が0.75以上ならばFR、0.75未満0.25以上ならばFI、0.25未満ならばFFとした。上記測定後、運動単位の筋線維内グリコーゲンを枯渇させるために、あるプロトコールに従って電気刺激を繰り返した。その直後に、前脛骨筋を切離し、凍結標本を作製した。Pariodic Acid Schiff(PAS)染色により筋張力を測定した単一運動単位に属する筋線維を同定し、その連続切片標本のmATPase染色により筋線維タイプ分類した。その結果、健常ラットの対照群では7個の運動単位を得た。疲労指数によるタイプ分類ではFRが3個、FIが4個であった。3個のFRのうち、mATP染色によるタイプ分類では、2個がIIa、1個がIIcに、FIはすべてIIbであった。持続的電気刺激を3週間施行後に、上記と同様に単一運動単位を4個得た。疲労指数によるタイプ分類ではFRが3個、FIが1個であった。mATP染色によるタイプ分類では、FRはすべてIIaに、FIはIIcであった。脊髄損傷ラットにおいても持続的電気刺激を加えることによって疲労抵抗性の増大する傾向を認めた。
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