2003 Fiscal Year Annual Research Report
機能的電気刺激による麻痺肢の動作再建に関する基礎的研究
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15700386
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
青柳 陽一郎 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30286661)
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Keywords | 機能的電気刺激 / リハビリテーション医学 / 機能再建 / 脊髄刺激 / 歩行 / 脊髄損傷 |
Research Abstract |
ネコを用いて、'剣山型'微細電極の末梢神経への移植をおこない、慢性期における安定性の検討をおこなった。複数の実験動物において同一のチャンネルから同一の筋群を4ヶ月以上にわたって刺激可能であった。慢性期には刺激閾値は約3倍に上昇し、電極のインピーダンスは約70%の低下を示した。慢性期の実験動物のトレッドミル上での歩行機能は正常であり、組織学的な検討では神経線維の形態や密度も正常に保たれていた。剣山型微細電極による末梢神経への物理的な侵襲はないと考えられ、機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation, FES)におけるフィードフォワード制御の可能性が示唆された。 さらに末梢神経、脊髄根(前根および後根)、脊髄灰白質を電気刺激し、後肢の運動出力特性を比較検討した。前根刺激では下方および後方への運動、後根では上方および前方への運動のみが誘発可能であったのに対し、末梢神経、脊髄刺激では全方向への運動を誘発できた。脊髄刺激では、複数の電極刺激により麻酔下で歩行様運動が誘発可能であった。 また剣山型微細電極を用いてネコの後根神経節からの細胞外電位の記録を行った。麻酔下で100チャンネルの電極から50以上のニューロンの記録が可能であり、大多数のニューロンは、足部の位置、速度と関連した発火パターンを示した。さらに5〜10個の一次感覚ニューロンの発火パターンからほぼ正確に足部の位置を予測できることが示され、FESによる運動再建においてクローズドループ制御に応用できる可能性が示唆された。後根神経節における長期的な安定性については、これまでの予備実験で1ヶ月以上にわたる後根神経節からの細胞外電位の記録が可能であった。しかしながら、同一電極から異なったニューロンを記録するケース、日数が経つに従い記録可能な電極が減少し、数週程度で記録不可能になる電極も存在した。慢性期に、結合組織の増殖のため電極の先端部が後根神経節内で移動している可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Aoyagi Y, Stein RB, Branner A, Pearson KG, Normann RA: "Capabilities of a penetratingmicroelectrode array for recording single units in dorsal root ganglia of the cat"J Neurosci Methods. 128・1-2. 9-20 (2003)
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[Publications] 青柳陽一郎, VK Mushahwar, RB Stein: "生体電気刺激による運動出力に関する基礎的研究-神経筋接合部、末梢神経、脊髄根、脊髄刺激による比較-"日本FES研究会論文集. 10. 42-46 (2003)
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[Publications] Branner A, Stein RB, Fernandez E, Aoyagi Y, Normann RA: "Stability of chronic implantation using a multielectrode array in cat peripheral nerve"IEEE Trans Biomed Eng. 51・1. 146-157 (2004)
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[Publications] Aoyagi Y, Mushahwar VK, Stein RB, Prochazka A: "Movements elicited by electrical stimulation of muscles, nerves, intermediate spinal cord, and spinal roots in anesthetized and decerebrate cats"IEEE Trans Neural Syst Rehabil Eng. (in press). (2004)