2005 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者への触覚情報提供システム改善のための基礎的研究
Project/Area Number |
15700390
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
木村 友昭 筑波技術大学, 保健科学部, 助手 (50269289)
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Keywords | 点字 / 体性感覚誘発脳磁界 / 脳磁図 / 体性感覚野 |
Research Abstract |
本研究は、点字使用者を対象として、点字パターン識別時における大脳皮質活動を明らかにすることを目標として、これまでに誘発脳磁界測定に最適な点字パターン提示システムを開発し(平成15年度)、本装置を用いた体性感覚誘発電位の基本特性および至適刺激条件を明らかにするための実験を行ってきた(平成16年度)。本年度はこれまでの成果をふまえ、点字パターン判別課題実施時の体性感覚誘発脳磁界活動の検討を行った。 被験者10名(点字使用者5名、非使用者5名)を対象として、点字パターン提示装置を用いた触覚パターン刺激を示指に与え、160チャンネル全頭型脳磁界計測システムにて体性感覚誘発脳磁界反応を測定し、その信号強度と信号源位置について検討した。触覚パターン刺激は、合計8本の点字ピンのうち2本を用いた計3種類を、それぞれ一定の出現率になるようにランダムに提示することによって行った。提示した刺激のうち、特定のパターンを判別し、カウントする判別課題と、カウント作業を行わせない非判別課題を実施し、両者間、および点字使用者・非使用者間の比較検討を行った。その結果、(1)ほぼすべての条件で刺激提示後50msに刺激対側第1次体性感覚野の反応を認め、その信号強度は点字使用者・非使用者間、および実施課題間で差をみとめなかったこと、(2)パターン判別課題時には刺激提示後100〜200msを中心として両側性と考えられる皮質反応が認められるが、非判別時にはこの反応は小さいか、欠落すること、(3)(2)で認められた反応は刺激対側の第1次体性感覚野の信号の影響を受けていると考えられ、信号源推定の結果解釈には慎重さが要求されるものの、両側第2次体性感覚野、ないしはその近傍に位置する可能性が考えられること、などが明らかとなった。 本研究の詳細な結果は、平成18年の臨床神経生理学会に報告予定である。
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