2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴機能画像法による、脳可塑性の機構解明と適切なリハビリテーション療法の開発
Project/Area Number |
15700394
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
當間 圭一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30360845)
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Keywords | 磁気共鳴機能画像法 / 脳可塑性 / 神経再生 / 運動野 / 感覚野 / 感覚運動連関 / リハビリテーション |
Research Abstract |
磁気共鳴機能画像法(fMRI)を用いて、リハビリテーション療法前後における脳可塑的変化の有無を検討している。従来のリハビリテーション療法研究においては、運動訓練によって運動機能が回復することが報告されている。しかしながら、運動回復が、脳の可塑的変化(再構築)によって生じているのかどうかについての充分な証拠が無かった。平成16年度は、運動訓練療法前後における運動野の可塑的変化に関する研究を行った。運動訓練療法時の肢位の違いによって、運動野の再構築過程に違いが生じるのではないか、という仮説を立てた。健常成人被験者10名を対象とした。10分間の手首伸展運動訓練の前、5分後、25分後にfMRIを用いて脳活動を記録した。被験者が前腕水平位から手首伸展運動を行った時のfMRIを記録して、脳活動を定量的に測定した。2種類の異なる肢位の手首伸展運動訓練課題を用いた。すなわち、前腕水平位の場合と垂直位の場合における、運動訓練前後の脳可塑的変化の違いについて比較した。両訓練課題では、手首関節に対する運動は同一である(関節座標系)。しかし、空間に対する運動方向は90度異なっている(空間座標系)。運動訓練を前腕水平位で行った場合のほうが、垂直位で行った場合よりも、運動訓練後25分において、中心前回と補足運動野において強い脳活動を示した。運動訓練を同一の空間座標系で行う場合の方が、運動準備に関連する脳部位の活動が増強することが示唆された。
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