2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700401
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
清水 知恵 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (80243848)
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Keywords | dance movement / self-efficacy |
Research Abstract |
本研究では、舞踊における動きの質に着目し、連動性を伴う質の高い動きの体験が、実験効果を測る有効な心理変数の一つである舞踊学習者のセルフ・エフィカシーに、いかなる変化をもたらすかについて検討することを目的とした。そのために、平成15年度においては、まず、舞踊セルフ・エフィカシー尺度について、その研究動向と今後の課題について検討した。 ここで、明らかになったことは、以下の通りである。 1)身体および運動に関係するセルフ・エフィカシー研究では、ダンス・セラピーに関する研究と、バレエの基本稽古を対象の運動とした実験研究がみられた。しかし、前者は治療が後者は運動が主な分析目的であったため、双方の研究領域とも、いわゆる踊ることに対するセルフ・エフィカシーについては検討されていなかった。 2)一方、測定尺度について身体および運動に関与する研究では、身体的セルフ・エフィカシー尺度(Physical Self-Efficacy Scale)については、身体動作の知覚や体力指標、運動、自己実現、不安との関連性に関する結果が報告されており、さらに日本語版PSEも作成されていることが明らかとなった。しかし、これらについては同じ身体活動とはいえ、そのまま舞踊に適用することは、運動様式の相違から困難であると考えられた。 今後の課題としては、先行研究を基盤に、舞踊の動きの体験および踊ることに対する舞踊セルフ・エフィカシーの測定尺度の作成が必要であると考えられた。それにより、舞踊の動きの遂行力予測が可能となると思われる。そのために、信頼性・妥当性の得られた尺度を用いた量的データの収集と、被験者の変化の根拠となる観察を通した質的データの双方を補完的に用いる必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)