2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700416
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉田 正明 三重大学, 教育学部, 助教授 (60235885)
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Keywords | 低酸素テント / トレーニング |
Research Abstract |
本研究は、低酸素テントを作成し、種々の酸素濃度でトレーニングした際の脚の骨格筋酸素化レベルや血液量(血中乳酸濃度)の動態を明らかににした上で、低酸素環境下の中でトレーニング実験を行い、無気的能力(短距離走など)についての効果を明らかにするためのトレーニングプログラムの構築に資する基礎的データの収集を目的とするものであった。本年度の概要は以下の通りである。 1)実験室内に組立式のテント(W2900×D2000×H2200mm)を設置し、出入口としてアルミ製ドアを取り付けた。また、室内でマスク排気運動ができるようにポートを装備した。室内にトレッドミルと自転車エルゴメータを設置し、トレーニングを行うことができるようにした。このテント外に酸素制御装置および膜ユニットを用いて、低酸素をテント内に排出するようにして低酸素環境下となるようにした。設定可能な濃度は、約13〜20.9%であり、設定濃度に達するまでの時間は約1時間程度であった。様々な濃度でのトレーニングを予備実験的に実施を行い、安全性および信頼性の確認を行った。 2)低酸素テント内の自転車エルゴメータを用いて、トレーニング(間欠的:20秒運動1分休息を反復)を行わせた際の運動生理学的測定(脚の骨格筋酸素化レベル、血液量および血中乳酸濃度、動脈血酸素飽和度等)を行った。設定酸素濃度は、20.93%、19.2%、17.4%、15.6%までの4種類であった。酸素濃度が低くなればなるほど、動脈血酸素飽和度は低く、骨格筋の醸素化レベルは急速に脱酸素化レベルになる傾向にあった。乳酸濃度は、個人差が大きく明確な傾向はみられなかった。したがって、トレーニング実験を行う際の設定強度(酸素濃度)としては、約15%あたりが妥当であることが示唆された。
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