2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロスポーツおよび企業スポーツ発展へ向けてのスポーツと企業の相互関係構築〜スポーツ消費者と企業の視点から見たスポーツ価値分析とスポーツと企業の関係改善の方向性を探る〜
Project/Area Number |
15700427
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
藤本 淳也 大阪体育大学, 体育学部・生涯スポーツ学科, 助教授 (40257895)
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Keywords | プロスポーツ / 企業スポーツ / スポーツ価値 / スポーツ消費者 |
Research Abstract |
我が国の競技スポーツ発展においてプロスポーツと企業スポーツの貢献は大きい。しかし、近年、日本ではスポーツ・イベントやプロスポーツ・チームからのスポンサー離れ、そして、相次ぐ企業スポーツ・チームの廃部という局面を迎えている。これは、企業がスポーツに投資する資源(人、物、金)とそれに対する見返りのバランスが崩れている、つまり、投資するだけの便益が企業に対して提供されていないことに原因があると思われる。企業が求めているものは、スポーツを支援することの明確なメリットであり、スポーツ組織はそのメリットを創造し、提供していくことが望まれる。つまり、企業が求めるスポーツ価値の創造と提供である。 本研究の目的は、プロスポーツと企業スポーツにおけるスポーツと企業の関係の現状を把握すると共に、スポーツ観戦者と企業の視点からプロスポーツおよび企業スポーツの価値を測定・分析し、我が国におけるスポーツと企業の関係改善へ向けての課題と解決策を探ることである。 15年度は、プロスポーツや企業スポーツへのインタビューを通して、スポーツと企業の関係の現状を調査・分析した。Jリーグやプロ野球のプロスポーツ・チーム、企業の撤退が多くみられるバレーボールやバスケットボール、そして野球の企業スポーツ・チームからいくつかをピックアップし、スポーツ価値およびスポーツと企業の相互関係の視点から関係者へのインタビューを実施した。インタビュー先は、海外での計画を取止めて国内に集中し、Jリーグチーム、プロ野球チーム、企業スポーツ・チームなど11のスポーツ組織とした。 その結果、各チームともスポーツと企業との新しい関係を構築すべく多くの取り組みを行っているが、より説得力のある具体的な企業メリットの提示に至っていないケースが多いこと、お互いのメリットを創造するためにこれまでの枠組みにとらわれない新たな取り組みが求められていること、スポーツ・ファンの視点から見たスポーツの存在価値の確認の必要性などが浮き彫りとなった。
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