2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロスポーツおよび企業スポーツ発展へ向けてのスポーツと企業の相互関係構築〜スポーツ消費者と企業の視点から見たスポーツ価値分析と企業の関係改善の方向性を探る〜
Project/Area Number |
15700427
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
藤本 淳也 大阪体育大学, 体育学部・生涯スポーツ学科, 助教授 (40257895)
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Keywords | プロスポーツ / 企業スポーツ / スポーツ価値 / スポーツ消費者 |
Research Abstract |
我が国の競技スポーツ発展においてプロスポーツと企業スポーツの貢献は大きい。しかし、近年、日本ではスポーツ・イベントやプロスポーツ・チームからのスポンサー離れ、そして、相次ぐ企業スポーツ・チームの廃部という局面を迎えている。これは、投資するだけの便益が企業に対して提供されていない、あるいは理解されていないことに原因があると思われる。企業が求めているものは、スポーツを支援することの明確なメリットであり、スポーツ組織はそのメリットを創造し、提供していくことが望まれる。これは、企業が求めるスポーツ価値の創造と提供といえる。 本研究の目的は、プロスポーツと企業スポーツにおけるスポーツと企業の関係の現状を把握すると共に、スポーツ観戦者と企業の視点からプロスポーツおよび企業スポーツの価値を測定・分析し、我が国におけるスポーツと企業の関係改善へ向けての課題と解決策を探ることである。 平成16年度は、企業スポーツに焦点を当て、現状把握のための調査・分析を行った。具体的には、企業敷地内に体育館を持ち、そこで活動するバレーボールとバスケットボールの企業スポーツ・チームに対して、インタビュー調査、観戦者調査(2回)を実施した。また、企業の体育館の地域体育館としての価値を探るため、一般利用者を対象とした調査(1回)も実施した。 その結果、同じ体育館を利用していてもバレーボールとバスケットボールの観戦者特性が大きく異なること、観戦者集客のマーケットは体育館が位置する市外も多く含み幅広いこと、観戦者や体育館利用者の意識の中では企業スポーツ・チームや企業体育館'と地域との結びつきは薄いこと、などが明らかとなった。これらの結果をもとに実施したインタビュー調査において、企業スポーツ価値の創造と向上において、地域からの観戦者の集客と地域との結びつきの強化が重要な視点であることがわかった。 また、企業がスポーツを支援する価値の測定方法と現状に関する情報・資料収集のため、「スポンサーシップの測定評価に関するカンファレンス」(シカゴ)に参加すると共に、イリノイ大学で資料収集を行った。
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