Research Abstract |
異なる負荷重量におけるバリスティック動作(BM)の力発揮と筋電図活動および血圧値の変化を明らかにし,バリスティックトレーニング時の負荷設定について検討を加えた。実験1.課題はスミスマシンを用いた仰臥位でのレッグプレスとし,15回の反復動作を行なわせた。負荷重量は30%,40%,50%,60%,70%1RMとした。動作は通常動作(NM)とBMの2種類とした。重量物の重心変位,速度,加速度を計測し,ばね力,ダンパ力,ジャッキ力を算出した。外側広筋,内側広筋,大腿二頭筋,大殿筋より表面筋電図を導出記録した。実験2.実験課題,負荷重量,動作は実験Iと同様の条件で血圧値の測定を行なった。NMでは常にばね力,ジャッキ力が働き,負荷の増大と共にばね力,ジャッキ力も増大した。BMでは,ばね力,ジャッキ力の発揮は切り返し期に集中した。負荷の増大と共に切り返し期のばね力,ジャッキ力は増大し,さらに下降期においてダンパ力が出現した。60%1RMになると,切り返し期および上昇期のジャッキ力が増大し,70%1RMでは上昇期途中にさらに突発的なジャッキ力を発揮する傾向がみられた。30%〜50%1RMにおけるBMの筋電図活動は,動作最終局面で筋活動の休止がみられたが.60%1RM以上になると動作の最後まで筋活動がみられた。血圧値の変化は,最高血圧値において30%〜50%1RMでBMの方が有意に低い値を示した。これらの結果から,筋の弾性エネルギーを利用しで慣性を生み出し,スムーズな挙上が実現できる負荷重量は60%1RM程度以下であることが示唆され,スミスマシンによるレッグプレスでは60%1RMを越えない負荷重量で行なうのが望ましいと考えられた。平成17年度の実績の一部は第60回日本体力医学会で発表された。
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