2003 Fiscal Year Annual Research Report
女性高齢者の骨量維持に効果的な日常歩行数に関する縦断研究
Project/Area Number |
15700437
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北川 淳 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (80260529)
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Keywords | 女性高齢者 / 骨量 / 踵骨超音波計測値 / Stiffness / 歩行数 / 身体活動 |
Research Abstract |
【目的】本研究は女性高齢者を対象者とした縦断研究の初年度に該当するため,横断的な分析を行った。114名の健康な日本人女性高齢者(71.4±4.8歳,60歳〜85歳)を対象として,体重と歩行数が踵骨超音波計測値や骨吸収マーカーに及ぼす交互作用について検討した。 【方法】Lunar社製A-1000を用いて,右踵骨のSOS, BUA, Stiffnessを測定した。歩行数は七日間連続記録し,歩数/日を算出した。骨吸収マーカーはデオキシピリジノリン(DPD)を測定した。尿サンプルには午前10時前後の随時尿を用いた。 対象者を,体重が重く歩行数が多い群(体重大・歩行多群),体重が重く歩行数が少ない群(体重大・歩行少群),体重が軽く歩行数が多い群(体重小・歩行多群),体重が軽く歩行数が少ない群(体重小・歩行少群)の4群に分類した。4群の年齢に有意差はなかった。 【結果】体重大・歩行多群のStiffnessは,体重大・歩行少群よりも有意な高値を示した。一方,休重小・歩行多群と体重小・歩行少群ではStiffnessに有意差は認められなかった。DPDは,体重小・歩行多群が体重小・歩行少群よりも有意な低値を示し,体重大・歩行多群も体重大・歩行少群よりも低値傾向を示した。 【考察】これらの結果から,単に歩行数が多いだけでなく,体重の要因がメカニカルストレスとして加わるとStiffnessの高値に貢献することが示唆された。一方,骨吸収マーカーであるDPDは体重の大小にかかわらず,歩行数が多い群において低値を示したことから,歩行数を高く保つことは骨脆弱化を抑制する可能性が示唆された。
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