2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15700446
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
栗山 孝雄 獨協医科大学, 医学部, 助手 (30257175)
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Keywords | 若年勤労者 / 過労死 / 危険因子 / 生活習慣病 / ライフスタイル |
Research Abstract |
本研究は、40歳未満の若年勤労者について、健康診断等の有所見成績と業務や日常生活に関する調査、生体内のストレス関連物質の検査値等から、過労死の危険因子の解明を試みる。本年度は、若年勤労者の所見の頻度分布を把握し、さらに所見の発現に関与する生活習慣・危険因子の把握を試みた。具体的には、A協会が受託している職域の人間ドック受診者(3,652人)のうち、脳血管疾患や心疾患の既往・現病歴を有する者を除き、血圧、脂質、血糖、肥満のすべてに欠測値のない40歳未満の受診者666人(平均年齢34.7±3.3歳)について、肥満、高血圧、高脂血、高血糖の頻度分布、ならびに保有所見の合併頻度を調べた。さらに、3所見合併者と4所見合併者をあわせた多所見者と無所見者で生活習慣問診票の全答者308人(平均年齢34.4±3.5歳)を対象に、飲酒習慣、喫煙経験、運動習慣、食習慣の4項目について、多所見者19人(平均年齢36.1±2.4歳)と無所見者289人(平均年齢34.3±3.5歳)とでロジスティック回帰分析を行った。その結果、各所見の合併状況は、1所見では高脂血が23.6%と最も多く、ついで肥満が4.8%であった。2所見合併では高脂血と肥満の合併(10.8%)、3所見合併では高血圧と高血糖と肥満の合併(2.0%)が高い頻度を示した、4所見合併は0.8%であった。対象者の年齢階級別(10・20・30歳代)の所見の合併頻度については、年齢階級が上がるにつれて、無所見の占める割合が低下しているのに対し、1所見のみと2所見合併の占める割合は増加した。3所見合併と4所見合併は30歳代にのみ確認された。多所見合併と生活習慣との関連性については、喫煙経験あり(オッズ比6.25、95%信頼区間:2.11-18.52)、食習慣に問題あり(オッズ比3.00、95%信頼区間:1.10-8.15)の者に多所見合併が多かった。
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