2003 Fiscal Year Annual Research Report
要介助高齢者用ADL指標による縦断的な機能評価の有効性の検討
Project/Area Number |
15700449
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 進 金沢工業大学, 工学部, 講師 (90291757)
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Keywords | 日常生活動作(ADL) / 要介助高齢者 / 縦断的調査 |
Research Abstract |
日常生活動作(ADL)を利用して高齢者の機能評価を試みる際には、大きく、横断的資料に基づくアプローチと縦断的資料に基づくアプローチが考えられる。ADL評価指標の作成段階では、横断的資料に基づきその有効性が検証される場合が多いが、そのADL指標における実際の適用場面での有効性について検証するには縦断的アプローチにより、経時的な機能特性の変容を評価値として反映できるかが重要である。 筆者のこれまでの研究(横断的資料に基づくADL指標の有効性およびADL能力特性)で得られた知見をもとに、本研究では、1)定期的なADL評価を行った際に、既存のADL指標が機能特性の変容をどの程度評価値に反映しうるか、2)要介助高齢者のADL能力における縦断的な能力特性の変容にはどのような特徴が見られるか、3)横断的資料に基づいて筆者がこれまでに提案した機能水準判別のスクリーニング基準が縦断的資料にも反映されるか、について検討している。 本年度は、研究協力施設担当者に研究協力内容の説明を十分行い、理解を得たうえで、施設入所者に対する縦断的評価を開始した。具体的な評価内容は、ADL評価(要介助高齢者用ADL指標およびBarthel index)、身体的自立度評価、痴呆評価、QOL評価(全体的な生活満足度)および療養・リハビリテーションの内容、であった。現在、継続して調査中であり、明確な傾向を詳述できないが、ADL機能の経時的な変化には個人差が大きく、横断的資料により得られた集団的な特徴に関する知見とは異なる傾向にある。また、ADL機能の改善はQOLに好影響を及ぼすが、QOLの改善を決定する要因はADLの変容が決定的な要因とは限らないと考えられる。さらに、リハビリテーションによる機能変容の特徴に関しても継続的に今後検討していく。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Demura, Sato, two authors: "Activity groupings reflecting functional characteristics required in daily life in institutionalized dependent females in the old old elderly group"Environmental Health and Preventive Medicine. 8-5. 166-172 (2003)