2003 Fiscal Year Annual Research Report
男女の生涯発達を支援するキャリア教育プログラムの開発
Project/Area Number |
15700458
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
河崎 智恵 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50346300)
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Keywords | キャリア教育 |
Research Abstract |
本年度は、学校教育段階及び卒業後段階におけるキャリア教育の理論構築及びプログラム開発への示唆を得るために、以下の研究を実施した。 1.家庭科的視点から構築したキャリア教育モデルの検討 中・高・大学生1462人を対象とした、家庭科におけるキャリア教育モデルの諸能力に関する質問紙調査の分析の結果、モデルの5能力領域(自己理解・人間関係・意思決定・情報収集/経験・ライフキャリアプランニング)に対応した尺度が構成された。また、構成された尺度を用いて学校段階・性別・キャリア教育的経験による差異を検討した結果、自己理解や意思決定に関する教育内容の開発および人間関係に関する能力育成の必要性、キャリア教育的経験における生活キャリアと職業キャリアの両視点の導入の重要性が示唆された。 2.大学生のキャリア教育、キャリア発達に関する質問紙調査(予備的調査) 大学生男女70名を対象にキャリア教育およびキャリア発達に関する質問紙調査を実施した。その結果「キャリア」や「キャリア教育」の理解は不十分であり、「キャリア教育」のイメージも学力向上や就職に偏重していた。また、将来に対して不安を抱いている者が80%以上であり、女性の方が男性より有意に高かった。キャリアに関する諸能力については、「情報収集」や「経験への積極性」が高く、「意思決定の自信」が低かった。また、「キャリア教育」について無知な者の方が「意思決定の自信」が有意に低いという結果を得た。本調査の詳細な分析については、現在継続して検討中である。 3.社会人(教師)のキャリア発達に関する質的調査 現役教師を対象にインタビュー調査を実施した結果、教員のキャリア発達には教師自身のキャリア教育が必要であることが示された。また、既婚者の場合、他者へのケアの側面が重要な意味を持ち、組織及び家族生活における他者へのケアの能力が必要であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)