2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における「役割」の意義に関する実証研究-「役割」の功罪-
Project/Area Number |
15700461
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木村 好美 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 講師 (90336058)
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Keywords | 余暇活動 / 社会階層 / 高齢者 |
Research Abstract |
後期高齢者を対象とし、経済状況・健康状況・社会活動状況、その他介護や孫の世話などさまざまな役割について詳細に質問している東京都老人総合研究所・ミシガン大学共同プロジェクト「後期高齢者の資産と健康に関する全図調査(AHEAD調査)(1999年に日米両国で第1回目の調査が、2002年に第2回目の調査が実施された)に参加し、高齢者における「役割」の意義に関する分析の前段階として、高齢者の活動性(様々な活動にどれくらい参加しているのか)を知るため、高齢者の社会階層・健康と余暇活動についてデータ分析を行った。その結果、旅行・外食・趣味や稽古事の活動について、1.女性 (1)年収が高く、教育年数が長く、サークル加人数が多く、手段的活動能力が高い人ほど旅行回数が多い。 (2)手段的活動能力が高い人ほど外食回数が多い。 (3)年収が高く、教育年数が長く、サークル加入数が多い人ほど趣味・稽古回数が多い。 2.男性 (1)職業威信スコアが高く、サークル加入数が多く、手段的活動能力が高い人ほど旅行回数が多い。 (2)年収が高く、教育年数が長い人ほど外食回数が多い。 (3)教育年数が長く、サークル加人数が多い人ほど趣味・稽古回数が多い。 ということが明らかになった。上述した結果より、性別や活動内容によって余暇活動の参加規定因は異なり、余暇活動への参加を促進/阻害する要因として、社会階層要因、サークル加入数、健康は有意な効果を持つことが分かる。この結果を踏まえ、これら余暇活動が心身にどのような影響をおよぼすのか検討し、次年度はサークル・家族内の「役割」とその「役割」が心身に及ぼす影響を明らかにしたい。
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