2004 Fiscal Year Annual Research Report
野菜に含まれるポリフェノールは咀嚼によってどのように変化するか
Project/Area Number |
15700468
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山口 智子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (70324960)
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Keywords | ラジカル捕捉活性 / ポリフェノール / 野菜 / ポリフェノールオキシダーゼ / 咀嚼 / 加熱調理 / 唾液 / ペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
ポリフェノールオキシダーゼは野菜類を調理・加工する過程で、切断や破砕などによって組織の損傷を受けた際に作用する。同じ現象が野菜類を摂取した際の口腔内での咀嚼過程においても起こりうることが予想されることから、本研究では野菜類に含まれる種々のポリフェノールに対する咀嚼の影響を、ラジカル捕捉活性の変化とともに解明することを目的として研究を遂行した。まずヒトの唾液が野菜のポリフェノールに与える影響を調べるため、唾液のペルオキシダーゼ活性に関して検討した。ペルオキシダーゼ標品として西洋ワサビ由来の酵素をもちい、ポリフェノール類には、フラボノイドとしてケルセチン、フラボノイド配糖体としてルチン、フェノール酸としてクロロゲン酸を用いて反応性を調べたところ、ケルセチン、ルチン、クロロゲン酸のいずれも、ペルオキシダーゼ活性が高くなるのにともなってラジカル捕捉活性が減少し、ペルオキシダーゼにより酸化されることが明らかになった。特に、ケルセチンのラジカル捕捉活性の減少率が最も高かった。しかし、実際にヒトから採取した唾液には過酸化水素がほとんど存在しておらず、ヒト唾液ペルオキシダーゼによるポリフェノールの酸化は観察されなかった。次に、調味料添加によるポリフェノールの酸化抑制効果について検討した。調味料として食塩、ショ糖、食酢、ドレッシングを用いて、ナスおよびレタスのラジカル捕捉活性の変化を調べた結果、食酢とドレッシングにポリフェノールの酸化抑制効果がみられた。これは、食酢やドレッシングを添加した際にpHが低下することで、ナスやレタスのポリフェノールオキシダーゼ活性が下がるためであると考えられた。特に、ドレッシングの抑制効果は、野菜を加熱した際に匹敵するものであった。
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