2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本語におけるカタカナ語の使用実態調査と語彙習得支援環境の構築
Project/Area Number |
15700509
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (80275148)
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Keywords | 日本語教育 / カタカナ語 / テキストマイニング / 電子辞書 / 第二言語習得 / 語彙調査 / 使用頻度調査 / 情報弱者への支援 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は,次の通りである。カタカナ語の多用は,高齢者や日本語学習者の日本語理解を妨げる大きな要因の1つとなっている。このような情報弱者を支援するために,『第一回「外来語」言い換え案』(国立国語研究所)では,一般になじみの薄い外来語を日本語に置き換えることを提案している。本年度の研究では,『第一回「外来語」言い換え案』に掲載されているカタカナ語62語を対象に,電子辞書『大辞林』での辞書掲載状況を分析した。さらに,研究代表者がこれまでの研究で作成した『カタカナ語使用頻度表』で得られた頻度データを用いて,電子辞書に掲載されていなかったカタカナ語の頻度特性を分析した。その結果,1.複数の見出しで辞書に掲載されているカタカナ語であっても,使用頻度や定着度が著しく低い語(モチベーション,アジェンダ,モラトリアムなど)が存在すること,2.大辞林に掲載されていないカタカナ語は16語(オンデマンド,フィルタリング,インターンシップなど)が存在すること,3.2で述べた16語の多くは使用頻度や国民への定着度が低く,複合語(セカンドオピニオンなど)も若干含まれていること,などが明らかになった。こうして得られた知見は,辞書や日本語教材に掲載するカタカナ語の選定に大変有用な資料となる。また,カタカナ語の辞書掲載状況や頻度データを分析することは,語彙習得支援環境を構築する際に役立つ有効なデータが得られ,日本語教育に役立つことが期待できる。
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Research Products
(3 results)