2003 Fiscal Year Annual Research Report
携帯端末を利用した学習方略支援の試み―学習不適応を示す大学生への働きかけ―
Project/Area Number |
15700529
|
Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
伊藤 崇達 神戸常盤短期大学, 幼児教育科, 講師 (70321148)
|
Keywords | 学習方略 / 学習支援 / 携帯端末 / 動機づけ / 自己調整学習 / 自己効力感 / ICT / 短期大学生 |
Research Abstract |
短期大学生を対象に,携帯端末を利用し,定期試験に向けての学習意欲,集中度,自己効力感と,学習意欲の喪失経験及びそれへの対処,学習時の葛藤経験とそれへの対処について,時系列的な変化を把握する調査を行い,これらプロセスの検討を行った。結果として,適応的な変化過程を示していると考えられる学習者とそうでない学習者がみられうることが示された。さらに,内発-外発の動機づけ,自己効力感,学習時の不安感,持続性,学業ストレス対処方略,自己動機づけ方略など,事前の学習者特性に基づいてプロフィールを描き,それらの特徴によって差異がみられるのかどうかについても明らかにした。 また,次年度に計画している学習方略に着目した支援方法の確立をめざして,携帯端末を利用した学習相談・学習支援に対するニーズの分析を試みた。加えて,「ICTを活用した自己調整学習方略」尺度を作成し,実際に学習方略支援システムがあった場合の活用希望の程度についても調べた。ニーズの内容は「授業内容理解群」と「授業情報取得群」とに分けられ,前者のほうが「PC活用方略」をよく用いている傾向にあることが示唆された。また学習相談の内容は「授業・試験相談群」と「就職・生活相談群」とに分けられ,前者のほうが「携帯電話・メール活用方略」をよく用い,「学習支援システムの活用希望」の程度が強いことが示された。この方略と活用希望との間には正の相関関係も認められた。 以上,学習方略のあり方や動機づけのタイプ,自己効力感や不安,持続性など,学習者特性によって,自己調整プロセスや学習支援に対するニーズには違いがみられることが示唆され,このような個人差に応じた学習支援システム構築のあり方について考察した。
|
Research Products
(1 results)