2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
青木 茂 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (80281583)
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Keywords | 南極振動 / 水位変動 / 季節内変動 |
Research Abstract |
大気再解析データや大気-海洋結合モデルから、南半球の中・下層大気の変動場では、南極大陸上と低緯度側とがシーソーのように変動する南極振動(Antarctic Oscillation : AAO)モードが卓越していることが明らかになってきた。こうした大気変動に対応して、海洋では、季節内周期帯において南極沿岸の水位も同時に変動することが示されている。 本年度は、まず季節内変動帯における大気-海洋応答のメカニズムを明らかにするため、南極沿岸基地における潮位計データに基づいて季節内変動の季節依存性を調べた。南極振動の代表値であるAAOインデックスと沿岸水位変動は、季節内変動の振幅がともに冬に強い傾向を示した。沿岸水位に対するAAOインデックスの回帰係数も、夏期に比べ冬期に高い値を示すことが分かった。 次に、南極振動に対する外洋における水位の応答を調べるため、人工衛星TOPEX/POSEIDONの海面高度計データを用いた。海面高度変動の緯度一度幅での平均値に対して季節内周期のバンドパスを施し、同様のバンドパスをかけたAAOインデックスで回帰すると、回帰係数は数ミリ程度で、沿岸における値に比べてワンオーダー小さいことが分かった。このことは、季節内周期帯におけるコヒーレントな応答が南極沿岸域に集中していることを示唆している。 また、水位変動における順圧成分の寄与について調べるため、九州大学応用力学研究所と共同で、ECMWF再解析データ(ERA40)を用いた順圧モデル実験を開始した。1996年からの4年間について計算を終了した。
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