2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15710031
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
篭谷 泰行 滋賀県立大学, 助手 (90275157)
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Keywords | 森林伐採 / 林地管理 / 地球温暖化 / 温室効果ガス / 土壌 |
Research Abstract |
森林伐採およびその後の異なる林地管理がもたらす温暖化効果を評価することを月的に、滋賀県朽木村(現高島市)の落葉広葉樹二次林を調査地として実験を進めた。調査地内にある斜面に10m×30mの区画を全部で17区画設置し、それぞれの区画に(1)伐採後植生の苒生を排除し、さらに寒冷紗をかけて温度の上昇を抑制する、(2)伐採後植生の再生を排除するのみ、(3)伐採後植生の再生を積極的に導入する、(4)非伐採(対照)、(5)その他(伐採後人為的に表土攪乱を行う場合と伐採後従来施業どおりスギ植樹する場合)の処理を、(1)〜(4)は3区画ずつ、(5)は1区画ずつ適用することとした。2003年12月に伐採区の全木を伐倒し、2004年3月までに材の搬出、4月〜6月にかけて各区画の処理を完了した。 本年度は土壌のガス代謝(温室効果ガスCO_2、CH_4、N_2Oの放出・吸収速度)の測定、および非伐採区での植生調査、各ガス測定点での土壌調査、気象観測を行った。土壌のガス代謝測定はチャンバー法により月1回の割合で行った。CO_2放出速度は伐採後どの区画においても減少した。また寒冷紗区で放出速度が低くなる傾向が見られ、地温の影響が大きいことが示された。一方、CH_4吸収速度では、表土攪乱の効果が顕著で、攪乱後、平均吸収速度は0.196mgCH_4/m^2/hrまで上昇し、その1ヶ月後から急激に低下した。N_2O放出速度については、放出の観測そのものが少なく、処理ごとの違いは明らかにならなかった。地上部植生の成長量は2.5t/ha/yrと推定された。土壌の基本的な物理・化学性も測定された。今後はガス測定を継続するとともに、土壌環境条件のより詳しい計測、および植生バイオマスの変化や気象条件との関係について検討を進めていく。
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