2003 Fiscal Year Annual Research Report
New HITECマウス胎仔を用いた放射線誘発突然変異の解析
Project/Area Number |
15710045
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
加藤 文雄 産業医科大学, 医学部, 助手 (20309959)
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Keywords | 放射線 / 外表奇形 / HITECマウス / 突然変異 / 器官形成期 |
Research Abstract |
マウス胎仔の主要器官形成期に放射線を照射すると、外表奇形が多発するが、その機序は明らかにされてはいない。rpsL遺伝子を突然変異検出のレポーター遺伝子として導入したトランスジェニックマウスマウス(HITECマウス)を用いて、放射線によりマウス胎仔個体内に誘発および固定される突然変異の頻度を解析し、外表奇形との関係を検討した。 器官形成期(胎齢9.5及び11.5日)のHITECマウス胎仔に^<137>Csγ線2 Gy全身照射を行い、胎齢18.5日目に外表奇形の多発する四肢(前肢・後肢)、尾からDNAを抽出しアッセイを行い、突然変異頻度を解析した。 胎齢9.5日照射の胎仔は尾の奇形が多く認められたが、前肢・後肢の奇形は見られなかった。胎齢11.5日照射の胎仔は尾の奇形は胎齢9.5日目よりも多く、前肢・後肢の奇形も多発した。一方、より放射線のダメージを強く受けた結果と思われる胎内死亡は、胎齢9.5日照射で80%と多く認められたのに対して胎齢11.5日照射では10%であった。前肢、後肢、尾の放射線誘発の突然変異頻度はコントロール群の2-3倍で、胎齢9.5日と11.5日の間には有意差は見られなかった。ただし、個体差によるばらつきが大きく、多検出感度が低いことが問題になった。 さらに解析方法に改良を加えていく必要がある。放射線による外表奇形頻度と突然変異頻度の間にはっきりとした相関関係は見られなかったが、今後はスペクトラム解析を行う予定である。
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