2004 Fiscal Year Annual Research Report
飛翔体内の高エネルギー中性子測定用ホスウィッチ型検出器の応答関数と特性評価の研究
Project/Area Number |
15710049
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
高田 真志 独立行政法人放射線医学総合研究所, 宇宙放射線防護プロジェクト, 主任研究員 (50291109)
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Keywords | 中性子 / 陽子 / 液体シンチレータ / 粒子識別 / モンテカルロ計算 / 航空機被ばく |
Research Abstract |
航空機搭載用のホスウィッチ型中性子検出器に使用されている液体シンチレータと同じものを使い、入射荷電粒子のエネルギー損失が少ない構造の2インチサイズの検出器を作り、放医研サイクロトロンで、陽子30,50,70MeV、重陽子50MeV、α粒子100MeVを検出器の前面と側面より直接入射して、各荷電粒子の発光量を計測し、簡易式でエネルギーと発光量の関係を置き換えたのと、発光量の発光位置による光の減衰も表現した。MCNPXモンテカルロ法を用いて、38,68MeV中性子をボスウィッチ型検出器に入射させて、生成される2次荷電粒子のエネルギー損失を計算し、その各粒子によるエネルギー損失と発光量の関係を用いて応答関数の計算評価を行った。計算には、プラスチックシンチレータによるコインシデンスも含まれている。この結果をサイクロトロンにプロトン40,70MeVを厚さ4mmのリチウムターゲットに入射させ、そこから生成される準単色中性子を用い、加速器信号を用いたTOF法で検出される中性子エネルギーを同定して38,68MeV中性子の応答関数を得ることができた。得られた実験結果は先の計算と比較し、検出器の分解能を考慮する必要と、低発光量での差異は見られるが、おおむね両者は一致していた。この結果を用いて200MeVまでの応答関数マトリックスを計算し、HIMACでの実験結果と比較検討を行う。陽子と中性子検出時のホスウィッチ検出器からの信号をサイクロトロン(プロトン70MeV)、HIMAC(プロトン160MeV)をデジタルオシロスコープを用いて取得し、得られた結果を反映させて搭載時に使用するデータを自動取得できる装置を製作し、現在、検出器と合わせたテストを行っている。粒子識別は、100nsec以降の信号を認識させることにより、中性子と陽子を十分に弁別できることが分かった。
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Research Products
(1 results)