2004 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果ガス地下貯留時の流動および地盤変形連成シミュレータ構築に関する研究
Project/Area Number |
15710058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸田 潔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20243066)
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Keywords | せん断挙動モデル / 地下浸透流解析 / 有限体積法 / フラクチャー / 岩盤不連続面 |
Research Abstract |
本研究では,最終的に温室効果ガス地下注入時の多相流挙動および流体・地盤の挙動等のシミュレータ構築を目標としている.地下深部の飽和帯に対して温室効果ガスを注入する際の解析においては,温室効果ガスの気相としての流動のみではなく,地下水への溶解,地下水からの気化という相互作用を考慮する必要があり,温室効果ガス注入に伴う圧力変化による地盤変形を連成させる必要がある.流動-変形の連成解析に関してはすでにいくつかの研究事例が存在するが,気相-液相の2相が存在する場合の連成解析手法は,構成則の検討等の基礎的な検討から開始する必要がある.また,流体の挙動は,地下の地盤構造に左右されることが考えられている.本年度は,地下に存在するフラクチャーの構造解明とそれを用いた流体解析手法の構築を目指した. フラクチャーの構造を表現するには,せん断挙動モデルを用いて行った.算定されたフラクチャーの幾何学形状および開口幅分布を用いて,浸透流解析を行った.フラクチャー内の流れには平面2次元モデルを適用し,有限体積法を用いて計算を行った. フラクチャーを有する岩石供試体のせん断同時透水試験を実施し,せん断過程下でのフラクチャーの流れを計測した.さらに,数値解析を行い,実験結果との比較検討を行った.本研究で開発した計算方法は,従来の手法より精度よくフラクチャー内の流れを表現することが確認された.せん断モデル(力学モデル)によりフラクチャーの形状を決定しており,これらの結果が連成シミュレータ構築の基礎となる.
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Research Products
(3 results)