2004 Fiscal Year Annual Research Report
土壌の環境浄化機能を利用した発展途上国適応型汚水処理技術の開発
Project/Area Number |
15710061
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
増永 二之 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (10325045)
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Keywords | インドネシア / 土壌式浄化法 / 多段土壌層法 / 窒素除去 / 発展途上国 / 有機物除去 / リン除去 |
Research Abstract |
インドネシア西スマトラ州のパダン工業貿易研究所において、現地の研究協力者の協力のもと室内実験装置を作成し、平成15年度に引き続きゴム工場2次処理水、そして新規にキャッサバでんぷん採取処理工場排水について処理試験を行った。 ゴム工場排水処理試験において、汚水負荷量を500と1000L m^<-2> d^<-1>の2段階で処理した結果、BOD、COD、TSS(総懸濁物質)の除去能に大きな差は認められず、BOD:86-306mg L^<-1>、COD:203-655mg L^<-1>、TSS:32-420mg L^<-1>、に対してほぼ90%以上の除去率を示した。窒素については500と1000L m^<-2> d^<-1>の負荷速度においても実験後半(汚水通水後2-3ヶ月後)に除去率が低下する傾向が認められた。これは、装置内にBOD、COD、TSSが蓄積し、嫌気的になりアンモニア態窒素の硝化が十分に進まなかったことが原因と考えられた。この試験では送気を行っておらず、送気を行うことにより硝化不足は解決できると考えられた。 次に、キャッサバでんぷん採取処理工場排水処理試験において、0と8時間の送気を行いその効果を検証した。BOD、COD、TSSについては、送気0においても90%以上の高い除去率が示され、送気時間の違いによる処理能の差は認められていない。より長期の試験では効果が出ると予想される。キャッサバに含まれるシアン化合物についても除去能を調べた結果、送気0では汚水中のシアン濃度2.53-3.79mg L^<-1>に対して、除去率が73-83%であったが、送気8時間では汚水中の濃度1.90-7.58mg L^<-1>に対して除去率81-100%と、送気の効果が認められた。 平成15-16年の試験結果より、現地資材を用いた処理装置により現地で発生する汚水の高度処理が可能なことが示された。
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