2003 Fiscal Year Annual Research Report
異方制御された導電性高分子ナノワイヤーの電極への直接電気化学合成
Project/Area Number |
15710089
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橘 泰宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30359856)
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Keywords | 導電性高分子 / ナノワイヤー / 電気化学 / チオール |
Research Abstract |
本研究課題では、電極上に高分子成長の異方制御を行いながら、直接電気化学的に導電性高分子ナノワイヤーやナノロッドを作製することを目的としている。まず初めに研究実施計画にも記述したように、合成の異方制御を行なうために、高分子を成長させる起点の材料選定とその電気化学的特性を調べた。 材料としてチオール部位を持つアニリンモノマーを用いた。最初に、このモノマーを金(111面)表面上に吸着させた後、電位を印加すると、金表面と平行に重合が進行し単層ポリアニリンを作製することが可能であることを確認した。さらに電気化学的にこの重合の特徴を調べると、ポリアニリンの重合度は印加電位・時間により、容易に制御できることが明らかとなった。 次に、アニリンが吸着する形状を変化させることを試みた。まず、2種の有機鎖長の異なるチオールを共吸着させることにより、チオールドメイン層を形成した。とれらのチオールの脱離電位が、その有機鎖の種類により異なる特徴を利用して、ドメイン部位のチオールのみを選択的に脱離するようにチオールの組み合わせを選んだ。選択脱離後、アニリンを吸着することにより、アニリン単層のドメインを形成することが可能となった。STM測定を用いて観察すると、そのドメインを10nm程度のレベルで制御できることが分かった。現在では、このドメインの電気化学特性や重合制御する条件並びにドメインからポリアニリンを電極表面かち垂直方向に重合成長させる条件を割り出しているところである。
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