2003 Fiscal Year Annual Research Report
高結晶性カーボンナノコイルの作製及びその電界放出機構
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15710093
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
潘 路軍 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50326279)
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Keywords | カーボンナノコイル / カーボンナノチューブ / 電界放出 / 触媒 / 化学気相成長法 / 成長メカニズム / 電界放出顕微鏡 / 電界集中 |
Research Abstract |
1,高い結晶性を持つカーボンナノコイルの合成 1)成長メカニズムに関する研究:X線回折法による昇温中およびアセチレンガス導入後のFe/ITO触媒の変化を解析した結果、Fe触媒が酸化-還元-炭化インジウム鉄の形成過程が観察された。金属触媒の炭化が進み過飽和になると炭素の析出が始まり、ナノコイルなどの炭素構造物の成長が始まると考えられる。 2)触媒組成の制御:組成がきちんと制御したFe-In-Sn-O混合触媒を用いた場合、Fe/lTO触媒を用いた場合作製したカーボンナノコイルの平均外径よりも大幅に小さくなり、しかも外径の分布幅が狭くなることが分かった。それを用いた電界放出源の立ち上がり電圧を大幅に減少することができた。これはコイルを構成しているチューブの外径の減少による電界集中効果であると考えられる。 3)後処理の効果:アルゴン雰囲気に2200℃以上の高温処理により、カーボンナノコイルを構成するカーボン原子の再配列が起こりコイルの結晶性が向上されることが確認できた。 2,FEMとFIM装置の準備と予備実験 1)装置の準備:超高真空(10^<-10>torr台)チャンバーに一本のナノチューブ或はナノコイルをつけたタングスタン線陰電極を設けて、放出電流をFEM像と同期に測定できるシステムの構築を行った。 2)CNTを使った予備実験:先端を閉じた多層CNTと開口した単層CNTについてその電子放出特性を観測した。閉じたCNT先端のFEM像は4個の明るいスポットからなる。これはCNT先端にある四つの五員環から優先的に電子が放出することによるものである。開いたCNTではひな菊のような模様を持つ像となる。これはCNT先端の円周上に閉じ込められた電子の定在波による電子放出の疎密であると考えられる。ただし、この二つのCNT先端の曲率半径はほぼ等しくなり、電圧-電流特性は殆ど変わらないことが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 播路軍, 末金皇, 野坂俊紀, 岡崎信治, 田中博由, 中山喜萬: "Fe-In-Sn-O混合触媒で作製したカーボンナノコイルの電界放出特性"Japan Hardcopy 2003論文集. 143-146 (2003)
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[Publications] Y.Nakayama, L.Pan, O.Suekane, T.Nosaka: "Field Emission from Carbon Nanocoils Synthesized by Using FC-In-Sn-O Composite Catalyst"Proc.of IS & T's NIP19 : International Conference on Digital Printing Technologies. 727-730 (2003)
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[Publications] K.Nishimura, L.Pan, Y.Nakayama: "In-situ X-ray Analysis of Fe/ITO Catalyst for Synthesis of Carbon Nanocoils"Abstract of International Conference on the Science and Application of Nanotubes 2003. 37 (2003)
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[Publications] H.Tanaka, S.Akita, L.Pan, Y.Nakayama: "Daisy-like Field Emission Images from Standalone Open-end Carbon Nanotube"Jpn.J.Appl.Phys.. 43/2A. L197-L199 (2004)
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[Publications] H.Tanaka, S.Akita, L.Pan, Y.Nakayama: "Comparison of Capped Carbon Nanotube with Open-Ended One for Field Emission"Jpn.J.Appl.Phys.. 43/3B. L427-L429 (2004)