2003 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシニングによるサブ波長構造制御型効率可変回折光学素子の開発
Project/Area Number |
15710101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金森 義明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10333858)
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Keywords | サブ波長構造 / 回折格子 / マイクロマシニング |
Research Abstract |
本年度は、格子幅2μmで基本周期4μmの微細周期構造を持つ、チューナブルグレーティングを作製した。グレーティング部の面積は124gm×106μmである。我々の知る限り、周期4μm以下のチューナブルグレーティングは報告例ががない。製作には、微細周期格子を製作可能な電子線描画装置(Electron Beam:EB)および誘導結合プラズマ方式反応性イオンエッチング(Inductively-Coupled Plasma Reactive Ion Etching : ICP-RIE)を用いた。また、SOI (Silicon On Insulator)ウェハを用いてデバイスを製作した。SOIウェハのデバイス層は単結晶シリコンであるため、内部応力が少なく犠牲層エッチング後、可動部およびグレーティング部をリリースした後でもその構造体が内部応力により反りにくいという利点がある。グレーティングの可動には熱アクチュエータによる方式と静電アクチュエータによる方式の2種類のチューナブルグレーティングを作製した。熱駆動型、静電駆動型それぞれについて動作実験を行いグレーティングの周期の変化を確認した。熱駆動型では、電圧10V付近から挙動が観察できるくらいの動作を示し、最大30V付近まで電圧を加えた。電圧印加量に比例する形でアクチュエータ部が熱膨張し、徐々に弧を描くようにグレーティングが可動する様子を確認した。静電駆動型は130Vの電圧印加により駆動することを確認した。波長632.8nmのHe-Neレーザ光を製作したチューナブルグレーティングに当てた状態で動作実験を行い、その回折光を観察するととにより、熱駆動型、静電駆動型それぞれ約0.37°、4.2°の1次回折光の回折角変化を確認し、理論値に近い値を示した。
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Research Products
(1 results)