2004 Fiscal Year Annual Research Report
多期間設定における多次元ポートフォリオのバリューアットリスク最適化
Project/Area Number |
15710111
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 雄二 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 助教授 (50344859)
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Keywords | バリューアットリスク / ヘッジポートフォリオ / 取引コスト / 多格子モデル / 多次元オプションヘッジ / 高次モーメント / 最小二乗最適ヘッジ / 動的計画法 |
Research Abstract |
本年度は,当該研究に対し,オプションヘッジポートフォリオのバリューアットリスク推定のためのアルゴリズムの取引コストがかかる場合および原資産がジャンプをもつ場合への拡張,原資産株式の多項格子モデルによる一般的表現,多次元多期間の場合に対する考察を行った.具体的な研究内容は以下の通りである. 1.原資産株式の離散時間モデルを多項格子によって表現し,原資産高次モーメントを近似する多項格子モデルの極限に対する解析を行った.また,多項格子に割り当てられる確率が正になる条件を求めた. 2.多項格子を用いたオプションヘッジ問題に対するバリューアットリスク推定のアルゴリズムを,取引コストがかかる場合へと拡張した. 3.多次元多期間の場合のオプションヘッジ問題に対し,絶対偏差を評価基準とした数値計算アルゴリズムについて考察した.その結果,線形計画問題を適用することによって,10次元程度の問題に対しては,効率的に最適ヘッジを求めることが可能でるとの見解を得た. 4.数値シミュレーションを行い,二乗平均誤差ヘッジにおけるバリューアットリスクを推定し,ヘッジ誤差に伴う資産損失リスクについて考察した.また,ヘッジ誤差バリューアットリスクと原資産価格の高次モーメントの関係を比較し,原資産価格の高次モーメントがヘッジ誤差バリューアットリスクに大きく影響を及ぼすことを示した. 5.取引コストがかかる場合のオプションヘッジバリューアットリスク推定アルゴリズムに対して,数値実験を行い,バリューアットリスクを評価指標とした場合,ヘッジ誤差を最小にする取引回数が計算可能であることを示した. 上記5項目に関係して,本年度は,Bachelierファイナンス国際会議,コロンビア大=JAFEE国際会議,MITで開催されたファイナンス工学に関する国際会議,JAFEE冬季大会における国内発表で発表を行っている.
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Research Products
(5 results)