2004 Fiscal Year Annual Research Report
視線位置計測機能付きHMDを用いた災害時遠隔作業支援システムの開発
Project/Area Number |
15710114
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長松 隆 神戸大学, 海事科学部, 助手 (80314251)
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Keywords | 視線 / 拡張現実感 / 遠隔作業支援 |
Research Abstract |
本研究では、視線位置を計測可能なHMD(Head Mounted Display)を開発し、災害現場で事態の収拾に携わる作業員をIT武装し、作業員と対策本部にいる災害対策の専門家との協調作業を支援するシステムを開発することを目的とする。特に、対策本部にいる専門家が作業員の意図を推定する手段として、作業員の視線情報を用いることに着目している。今年度は、システムの実用化のための検討を最優先項目として研究を行った。 視線検出アルゴリズムに関しては、眼球カメラにより瞳孔中心を検出し、それを視野カメラ座標系に変換するとともに、現実環境にスーパーインポーズするためにHMD座標系への変換を行っている。これらを正しく変換するために、キャリブレーションを行っているが、これまではシステムの利用中にHMDがずれることにより、途中から正しく変換できなくなる問題があった。そこで、現場での応用を考え、HMDのずれを検出し補正を行った。 さらに、開発したシステムの2つの機能(視線情報機能、HMD指示機能)の遠隔協調作業における有用性を評価することを目的に実験を行った。実験課題は、作業員の前方に表示される刺激中のターゲットの位置を、知っている側から知らない側へ伝えるものである。あらかじめ作業員または監督者のどちらかにターゲットの位置を教え、刺激の表示開始と同時に、音声とシステムの機能を利用し、その位置を相手に伝え相手が発見するまでの時間(反応時間)と音声による指示回数を計測した。その結果、二つの機能が客観的に有用であることが示された。作業員と監督者は双方向のコミュニケーションが必要であることから、開発した遠隔コミュニケーション用HMD及びそれを用いたシステムは、保守作業など複数人がコミュニケーションを行う場面で非常に役に立つ物であると考える。
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