2004 Fiscal Year Annual Research Report
道路ネットワークの構造的観点から俯瞰した耐震機能性評価の再構築
Project/Area Number |
15710135
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄司 学 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (60282836)
|
Keywords | 社会基盤システム / 道路ネットワーク / 地震災害リスク / 機能性 / 耐震性能 |
Research Abstract |
人々が都市で生活する上で電気,ガス,水道は不可欠なものであり,道路や鉄道は人の移動や物資の搬送を支える重要な社会基盤システムである.特に,大規模な地震災害が発生した場合には,道路や鉄道が救急,消防等の緊急初動や被災地への支援活動に対して大きな役割を担うことになる.このような社会基盤システムの機能が地震時において十分に発揮できない場合には社会活動や経済活動が被る損失は甚大となるため,社会基盤ネットワーク構造物の地震時における機能損失に関する評価は極めて重要である.2004年には,我が国において10月23日に新潟県中越地震が発生するとともに,12月26日にスマトラ沖地震によるインド洋大津波が発生するなど,上述した問題の解決は喫急の課題となっている. 以上のような背景を踏まえ,本研究の大局的な目的としては,社会基盤システムとして道路ネットワークを取り挙げ,これらを構成する構造システムの地震による「ミクロな」損傷度と地震時における機能性の関連をモデル化し,地震時における機能性を反映させた耐震性能規定を提案することである. 平成15年度には地震災害リスクに対する道路ネットワークの機能損失と構造被害との関係を「地震被害帰着構成表」および「損失マトリックス」としてモデル化を行い,研究内容に関する概念整理を行った.これらを踏まえ,平成16年度には,それぞれのモデルに対して費用便益分析に活用される数理的手法を適用することによって定式化を図るとともに,これらの2つのモデルを融合した上で1995年の兵庫県南部地震の道路ネットワークの被災事例に基づき,道路ネットワークの地震災害による機能損失コストの試算を行った.さらに,これらの試算結果を踏まえ,モデル化に必要となるパラメータや関数のキャリブレーションを行い,道路ネットワークの被災の程度に対する機能損失コストの感度解析を行った.
|
Research Products
(6 results)