2004 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質分子表面の形状と物性の類似性検索による機能予測法の開発
Project/Area Number |
15710150
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 賢吾 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (60332293)
|
Keywords | タンパク質 / 立体構造・機能相関 / バイオインフォマティクス / 分子表面 / 静電ポテンシャル |
Research Abstract |
この3年の間だけでも新たに100種以上の微生物以上のゲノムの塩基配列が明らかにされ、全ゲノム配列が明らかにされた生物種は合わせて200種を超えたが、これらゲノム上の遺伝子の約半数が機能未知遺伝子である。生物を分子レベルで理解するためには、これらゲノム上の遺伝子産物であるたんぱく質の機能を同定が急務である。そこで本研究では、従来の配列解析を超えた機能予測法を開発するために、配列→構造→機能という第一原理に則った、立体構造からの機能を予測する方法の開発を行ってきた。 これまでに、低分子との複合体で立体構造が明らかにされているたんぱく質の結合部位データベース(eF-site : http://www.pdbj.org/eF-site)を構築し、フォールドレベル、原子レベル、分子表面といった異なったレベルでの構造比較を併用し構造機能相関の系統的な解析を行ってきた。まずモノヌクレオチド結合たんぱく質でのモノヌクレオチド認識の構造的基盤を調べ、続いてたんぱく質機能の最初のステップである基質認識部位の予測法の開発へと発展させてきた。その結果特に、分子表面の形状と静電ポテンシャルの類似性に着目することにより、進化的類縁関係を超えたレベルの類似性を検出できることを見いだし、実際に機能未知のたんぱく質に応用できる方法の開発を行うことができた。この方法は基質結合部位の予測であるが、複数の基質結合部位の情報を組み合わせることにより、機能未知のたんぱく質の生化学的な機能を推定できる可能性も同時に示すことができた。
|