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2003 Fiscal Year Annual Research Report

膜との相互作用によるグレリンの生理活性の調節機構

Research Project

Project/Area Number 15710169
Research InstitutionSuntory Institute for Bioorganic Research

Principal Investigator

菅瀬 謙治  財団法人サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (00300822)

Keywordsグレリン / リン脂質膜 / マイクロカロリメトリー
Research Abstract

マイクロカロリメトリーを用いて、各種リポソームとグレリン及びグレリンデスアシル体(Ser-3のオクタノイル基が欠損しているアナログ体)との反応熱の測定を行った。この実験により、グレリンのオクタノイル基とリン脂質膜との相互作用を明らかにすることができる。まず、15mM DPPCリポソーム溶液を5μMグレリン溶液に滴下した場合、一定量の発熱反応しか起こらなかった。これはリポソームをバッファーに滴下したときと同じ発熱量であったことから、DPPCミセルとグレリンは反応していないことがわかった。デスアシル体の場合も同様であった。一方、DPPC/DPPG(75%/25%)の混合溶液の場合、濃度依存的に発熱反応が起こることがわかった。デスアシル体でも同様な反応が見られた。さらに、DPPG溶液の場合、今度は濃度依存的に吸熱反応が見られた。デスアシル体の場合は吸熱反応と発熱反応の両方がみられ、グレリンとは異なるパターンが得られた。したがって、グレリンはオクタイノイル基以外の部分でもリン脂質と結合するが、ITCの熱量と反応熱のパターンの違いから、オクタノイル基があることで結合構造になんらかの違いがあることが示唆された。グレリンのC末端部位はリジン、アルギニンといった塩基性残基が多く存在するため、静電相互作用により膜に近づき、オクタノイル基の疎水相互作用により膜との結合が強められるといった機構が示唆される。また、リン脂質のアルキル鎖の異なるDMPCとDMPGを用いて同様の実験を行ったが、この場合グレリンとデスアシル体とではあまり反応熱に変化がなかった。ゆえにオクタノイル基との相互作用にはリン脂質のアルキル鎖の長さが重要であることも分かった。詳細を明らかにするには、CD, NMRなどによる構造解析が必要と考えられる。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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