2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国村落の社会経済構造と自治形式をめぐる地域間比較分析―北京・山東・江西
Project/Area Number |
15710178
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田原 史起 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20308563)
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Keywords | 中国 / 村落 / 社会経済構造 / 自治 / 比較 / 江西 / 北京 / 山東 |
Research Abstract |
初年度の平成15年度においては,文献資料の収集,および現地カウンターパートの協力を仰いでの予備的な調査を実施した。他の研究者による調査報告その他文献の吸収,および初歩的なフィールドワークを通じ、江西村落の政治・経済・社会生活に見られる「固有の文脈」がいささかなりとも明らかとなった。当該村落の政治生活を決定づけていると思われる社会経済的構造として,自然村の構成や同族組織などの社会的な要素、土地経営、農作物、郷鎮企業、農家副業などの経済的な要素の相互連関についてはある程度の輪郭が浮かび上がってきた。 とりわけ上記の作業を進める中で,いわゆる「集団資産」の重要性が見出されたのは大きな収穫であった。本研究が比較の対象としている沿海部の農村(北京,山東)では,土地,企業,インフラなど集団資産の形成が促され,それらの管理,運用をめぐって村落が「経営体」として実体化している。ところが,本プロジェクトの直接的なフィールドである内陸の江西農村においては,地域社会は集団資産に乏しく,そのため公共的事業の推進は宗族の力や出稼ぎ者の資金などに依存することになり,そのうえに展開する村落リーダーシップ、およびインフラ建設、福利などの自治的活動の中身とその展開パターンも沿海村落とは異なってくるのである。 こうした発見は,本年度中に公刊された著書『中国農村の権力構造』や,翌年度慣行予定のその他の論文の議論にも十分に活かされている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 田原 史起: "新解放区県級政権的形成-南下幹部与地方社会之互動分析"全球化下的中国与日本-海内外学者的多元思考(東瀛求索). 2002年巻. 182-216 (2003)
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[Publications] 田原 史起: "<書評>佐々木衛・柄澤行雄編『中国村落社会の構造とダイナミズム』"中国研究月報. 第665号. 44-45 (2003)
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[Publications] 田原 史起: "村を歩く-工作隊との120時間"中国21(愛知大学現代中国学会). 第16号. 226-232 (2003)
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[Publications] 田原 史起: "中国農村の権力構造-建国初期のエリート再編"御茶の水書房. 302 (2004)