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2003 Fiscal Year Annual Research Report

内部告発の倫理性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15720005
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

田中 朋弘  琉球大学, 法文学部, 助教授 (90295288)

Keywords内部告発 / 道徳的行為 / 強い義務 / 弱い義務
Research Abstract

現在、内部告発者保護の法整備についても検討が進みつつある。ただしそれらの一般的議論の多くは、外国の事例を参考にした具体的方策についての検討が主であり、必ずしも内部告発という行為そのものに関する考察や分析ではない。そこで今年度の研究では、内部告発とはどのような義務かについて、倫理学的な観点から詳しく分析することを目的とし、関連する基本文献や具体的な情報の収集につとめ、それらの分析に時間を費やした。
そのための最初の作業としてまず、内部告発とはどのような行為なのかという定義の問題を取りあげた。定義に関してあわせて考察の対象としたのは、「内部告発に対する非難や不快感」についてである。内部告発はしばしば否定的な文脈で語られることがあるが、その際そうした発話そのものがどのような意味を持つのかについて検討した。次に、内部告発を道徳的行為と見なすとして、それはどのような義務なのかという問いが生じる。仮に、内部告発をこのような種類の義務であると見なすとすれば、内部告発者の保護のみならず、その制度的義務化も考えられることになる。その場合、内部告発は強い義務になる。
今のところ内部告発の義務は、一般的に見て、このような強い義務ではなく、むしろ弱い義務として受け取られているように思われる。弱い義務とはつまり、行わなくても義務違反として譴責されるわけではないが、行うことがより推奨されるような自発的義務のことである。以上のような基本的な観点に関して、2003年11月には、関西倫理学会において「内部告発とはどのような義務か」という表題で、口頭発表を行った。

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Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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