2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15720018
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
渡邊 晃一 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (50272092)
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Keywords | 現代美術 / 製作学 / 生命形態 / 身体 / 美術解剖学 / 映像メディア / 型取り / 版 |
Research Abstract |
2004年、プラスティネーションが東京で展示され、多数の来館者を迎えた。この人体実物標本は、体内の水分をプラスチックに置換したものであり、人体構造を学ぶうえで価値ある教材となる反面、「個人の身体」の意味性が希薄な状態で展観されるなどの、多くの社会的問題をも内包している。 「生命形態」をいかに認識するかという問題は今日、写真、ビデオカメラ、テレビ、映画等の「メディア」が身体認識に与えた影響と重ねても考えられよう。マスメディアを介して大量に伝達される視覚情報は現在、生命に対する認識や、自己の身体に対する意識をも大きく変化させていることが予想できる。そこで本研究では現代美術と「生命形態」、とりわけヒトの身体との関わりを、制作学の視点から「映像メディア」に焦点をあてて、諸外国のArt概念の比較研究を通じて考察したものである。そのため「美術作品」のみならず、自然科学や哲学などの領域とも連動させながら、現代美術の「実技」領野と「理論」の結びつきを示すなかで、日本の文化、芸術、教育における新たな体系を模索してきた。 特に本年度は具体的に以下の研究を行った。 1,身体認識とメディアとの関わりについて、現代芸術を自然科学と照らし合わせる中で考察した。 2,現代美術の制作や発表を通じて、「生命形態」の認識に関わる知識や表現を「映像メディア」に関する理論との結びつきのから具体的に措定した。 3,英国と米国における現代美術の表現と「生命形態」の認識との関わりを再調査した。 以上、次年度につづく研究は、標題の研究の第二段階とし、一応のまとめを行った。
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Research Products
(5 results)