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2005 Fiscal Year Annual Research Report

中国近世の言説における「国家」と「民族」

Research Project

Project/Area Number 15720072
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

笠井 直美  名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 助教授 (90251389)

Keywords「民族」意識 / 五代史 / 楊家将
Research Abstract

今年度は収集した諸資料の分析を進めると共に、電子コーパスについては資料を引き続き拡充すると同時に、試験的な検索システムを構築し、分析を進めた。
昨年度、仮説として提示した「五代・宋初に取材する講史小説・戯曲における「民族」「国家」に関わる言説は、明末(萬暦中期頃?)に画期があり、物語内容のみならず語り口にも、<われら>と<かれら>を截然と切り離そうという傾向が強くなっている」という傾向については、分析対象を広げて検討した結果、ある程度そのような傾向が裏付けられることが明らかになった。(ただし、やや異なる方向性を示す資料もあり、また、講史以外の白話文学の調査も十分でないので、なお慎重に検討する必要がある)。その背景としては、(1)白話文学の作者・受容者層の高級化、(2)明末の北辺の患・清朝による支配への反発、(3)既に社会史・思想史方面において指摘されている、明末清初における「中国社会の『秩序化』」「儒教・朱子学の瀰漫化」の傾向との関連、等が考えられる。
電子コーパス構築は、外注による主要資料の電子化を一通り終了し、『南北宋志傳』は第一校を終了した。校勘作業を通じ、HT_CJK外字とUnicode CJK ExtensionBの対応づけ、異体字テーブルの整備など、解決に時間を要する課題が幾つかあることが明らかになった。同時に、Web上やCD-ROMなどで無料または安価で供給されている(あまり学術的には正確と言い難い)電子テキストについても、ひととおり調査を行った。また、CGIプログラムによる試験的な検索システムを構築した。校勘未了分も含めて試用してみた結果、このシステム、特に正規表現検索によって、それなりに興味深い分析が可能であるが、十分に活用するためには、より処理スピードを上げる、検索対象となるデータに有効なヘッダ付けやマークアップを行うなどの改善が必要であることが明らかになった。

  • Research Products

    (3 results)

All 2006

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 中國近世白話文學の電子化の現況(雑劇篇)2006

    • Author(s)
      笠井直美
    • Journal Title

      名古屋大學中國語學文學論集 16

      Pages: 85-104

  • [Journal Article] 中國近世白話文學の電子化の現況(戲文・傳奇篇)2006

    • Author(s)
      笠井直美
    • Journal Title

      2005年度科学研究費補助金報告書 (近刊)

  • [Journal Article] 中國近世白話文學の電子化の現況(白話小説篇)2006

    • Author(s)
      中塚亮, 笠井直美
    • Journal Title

      2005年度科学研究費補助金報告書 (近刊)

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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