2003 Fiscal Year Annual Research Report
宗教説話集『ハラ・チャリタ・チンターマニ』成立の背景―所収説話の原拠を求めて―
Project/Area Number |
15720079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴崎 麻穂 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (30342679)
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Keywords | Haracaritacintamani / Jayadratha / Brhatkatha |
Research Abstract |
本年度は(1)『ハラ・チャリタ・チンターマニ』(以下HCC)の解読、(2)HCCの現存テキストの電子化、(3)関連文献・資料の調査と収集を中心に行った。 まず(1)ではHCCを第一話から読み進めながら、その内容ごとに(a)シヴァ神話にまつわる物語、(b)もともとシヴァ神話とは直接関わりのない物語を変容させた物語、(c)カシュミールの聖地にまつわる因縁譚、いづれかに分類してゆく作業を行った。 また、テキストの解読と同時に、(2)HCCのテキストの電子化・データ化を進めた。 つぎに(3)では、研究書や図書カタログ、Webでの書籍調査を行った。その結果、研究書・論文については大英図書館にいくつかの参考資料が、また写本については、国内・海外の研究者の協力をも得て、インド・フランス・イギリス等に少なくとも9つの写本が存在することが判明した。そこで8月には英国にて、写本および関係資料の調査を行い、大英図書館所蔵のHCC写本1本と論文・研究書等の資料を収集した。 なお、10月以降には大英図書館で収集した写本資料の解読にも着手し、順次すでに出版されている現存テキストとの比較・対照を進めている。
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