2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウェールズ語を範とするアイヌ語復興のための学習教材開発
Project/Area Number |
15720081
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
井筒 勝信 北海道教育大学, 教育学部旭川学校, 助教授 (70322865)
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Keywords | 認知言語学 / 機能主義言語学 / 言語の復興と再活性化 / アイヌ語 / ウェールズ語 / 辞典 / 構文 / VSO言語 |
Research Abstract |
本研究は、かつては消滅の危機に瀕しながらも現在は大きく復興を遂げているウェールズ語での研究と実践を手本にして、同様かつ更に深刻な危機を迎えているアイヌ語の復興と再活性化のための具体的な言語学的方策を模索すべく企図された。一年目にアイヌ語の現状とその背景を把握し、二年目にウェールズ語復興のためになされてきた実践とその成果について調査し、三年目にはそれらの知見を基にして真に有効なアイヌ語学習教材の開発を目指すという大まかな計画が立てられた。 二年目である本年度は、ウェールズ語の語彙、文法、言語史、言語政策、教育に関する文献を通して基礎調査を行うと共に、可能な限り現地でのフィールドワーク(視察や聞き取り)を通して国並びに自治体でウェールズ語に対して取られている政策(制度、姿勢、態度を含む)を調査し、それらの概要を1冊の報告書としてまとめることを目標に掲げた。また、フィールドワークでは、文書としてだけではなく、許される限り音声・映像の形でも資料を収集することを目指すこととした。 このような当初の計画は、八割以上を達成することが出来た。9月にはカーディフ大学図書館等での文献調査並びに学校その他の関係機関での視察を実施すると共にウェールズ全土での予備的なフィールドワーク調査を行った。現地に赴かねば入手が極めて困難な文献が利用できるようになり、ウェールズ語委員会・カーディフ大学・ウェールズ語学校・言語振興のための組織などで具体的な実践とその効果を把握することが出来た。また、音声は学習教材となっているものを中心に、映像資料はデジタルカメラで撮影した写真として相当量を多岐に渡って収集することが出来た。音声と映像に関するものを除く調査によって得られた成果は、ウェールズ語の文法、語彙、言語史、言語政策史を概観する報告書(11研究発表の「図書」に所収の『CYMRAEG:ウェールズ語研究序説』)としてまとめた。
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Research Products
(2 results)