2003 Fiscal Year Annual Research Report
韓国語系日本語学習者における尊敬語と謙譲語の知識と運用の関係
Project/Area Number |
15720126
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
宮岡 弥生 広島経済大学, 経済学部, 講師 (10351975)
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Keywords | 日本語教育 / 敬語 / 日本語学習者 / 第二言語習得 / 韓国語母語話者 / 尊敬語 / 謙譲語 |
Research Abstract |
本研究は、学習者の負担を最小限にとどめることのできる、適切かつ効率的な敬語教育の方法を確立するための一連の研究の一環として、日本語学習者数の多い韓国語母語話者を対象に、敬語の知識と運用の関係を解明することを目的としている。敬語は日本語の習得の中でも難しいと言われており、敬語に関する実験は日本語能力上級以上の被験者でなくては実施が困難である。そのため、まず被験者である日本語学習者の日本語能力を測定するために、平成15年度前期には日本語能力テストを作成した。日本語能力テストは語彙・文法に関するもので、短時間でできるように全部で50問と問題数を少なくし、1文字補充の穴埋め式の形式をとった。この日本語能力テストを韓国語系日本語学習者に対して実施し、得点の上位者のみを選定した。その上で、合計24名の被験者に対して、尊敬語と謙譲語の知識と運用に関する敬語実験を実施した。敬語には、「いらっしゃる」「伺う」などの特定の動詞をもつものと、動詞に「お〜になる」「〜れる/られる」を付加する形しかもたないものとがある。本研究では、統計的な分析を可能にし、尊敬語と謙譲語を直接比較できるようにするため、尊敬語と謙譲語の両者について特定形の敬語をもつ動詞のみを対象とし、動詞の条件を統制した。実験は平成16年2月に終了し、3月末までにデータ整理を完了、平成16年4月現在、結果を分析中である。本研究の成果は、今年度中に学術雑誌に投稿する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyaoka, Y., Tamaoka, K., Wu, Y.: "Acquisition of Japanese honorific expressions by native Chinese speakers with low, middle and high Japanese abilities"広島経済大学研究論集. 26(2). 1-16 (2003)
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[Publications] 玉岡賀津雄, 宮岡弥生, 林〓情: "エントロピーと冗長度で表現の多様性と規則性を表す試み - 韓国語系日本語学習者の敬語表現を例に"日本語科学. 14. 98-112 (2003)
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[Publications] Tamaoka, K., Miyaoka, Y.: "The cognitive processing of Japanese loanwords in katakana"Japanese Psychological Research. 45(2). 69-79 (2003)
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[Publications] Tamaoka, K., Sakai, H., Kawahara, J., Miyaoka, Y.: "The Effects of Phrase-Length Order and Scrambling in the Processing of Visually-presented Japanese Sentences"Journal of Psycholinguistic Research. 32. 431-455 (2003)