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2005 Fiscal Year Annual Research Report

狩猟故実書の分析による公家文化と武家文化の比較研究

Research Project

Project/Area Number 15720151
Research InstitutionNagano National College of Technology

Principal Investigator

中澤 克昭  長野工業高等専門学校, 助教授 (70332020)

Keywords日本中世史 / 狩猟 / 故実書 / 武家文化 / 武芸
Research Abstract

研究期間最終年度となる今年度も、尊経閣文庫をはじめ、国立公文書館、宮内庁書陵部、蓬左文庫、静嘉堂文庫などに所蔵されている故実書類を閲覧・調査した。また、慶應義塾図書館(魚菜文庫)、金沢市立玉川図書館近世資料館(加越能文庫)の所蔵史料は複写を入手。松本市文書館では小笠原流故実書の写真を閲覧した。さらに、石川文化事業団お茶の水図書館(成簣堂文庫)所蔵の小笠原家文書に「矢開文書」と題された故実書類があることを確認。閲覧・調査により、室町殿や細川氏の矢開に関する貴重な史料群であることが判明し、公家文化との差異が明瞭な武家の狩猟と狩猟儀礼「矢開(矢口開)」の変化についても考察することができた。
摂家将軍も親王将軍も狩猟を行なった形跡は無いが、北条泰時・経時は鹿を獲物とする矢口祭を行なっており、北条氏にとっても狩猟は重要な政治文化だった。ところが、室町期には鳥を獲物とする矢開の故実が流布し、室町殿も雀を獲物として矢開を行なっている。そうした鳥の故実は室町期に形成されたのではなく、北条得宗家において創始されていたと考えられ、近世の故実書が引用する徳治二年(1307)の矢開の日記によれば、得宗家で雀の矢開が行なわれていた。武家首長の矢開は中世に一貫してみられたが、その獲物は十三世紀後半以降、鹿から鳥へと変化していたのである。武家首長の公家化という面だけでなく、武家文化の変容についても考えてみることが重要であろう。
この研究成果の一部は、2005年11月、「武家の狩猟と矢開の変化」と題して、史学会(東京大学)第103回大会日本史部会(中世)において発表した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Book (1 results)

  • [Book] 鎌倉時代の考古学(編者:小野正敏・萩原三雄)2006

    • Author(s)
      中澤 克昭
    • Total Pages
      600
    • Publisher
      高志書院(予定)

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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