2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15720153
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山崎 圭 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (60311164)
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Keywords | 信濃国幕領 / 九州日田幕領 / 幕府勘定所 / 長坂氏記録 / 地域社会論 |
Research Abstract |
1.『長坂氏記録』の分析 『長坂氏記録』全36冊のうち23冊を今年度撮影し(既撮影分8冊、撮影不可分1冊、残り4冊は来年度撮影予定)、その分析に着手した。いまだ全体を読み尽くした訳ではないが、各冊の内表題等を見ると、この記録が幕府勘定所の支配勘定長坂庄八郎によって文化3年から幕末にかけて公務上記録されたものであることがわかり、各地の代官所での代検見や普請所見分など幕領支配への勘定所の関わり方が具体的に明らかにできそうである。 2.その他の勘定所関係史料の分析 これについては主として在京諸機関の所蔵史料が主たる対象となるため随時行うことにして、今年度は以下の3の研究に重点を置き替えることにした。 3.九州日田幕領の事例分析 当初、比較のための全国幕領現地調査については平成16年度以降に予定していたが、繰り上げて調査を行った。今年度は山城国、美濃・飛騨国、九州の幕領に関する史料調査を行ったが、特に九州日田幕領に興味を持った。この地域では先行研究として、陣屋元の豪農商である掛屋の活動を中心とした地域経済分析と、会所詰組合惣代の活動分析があるが、両者の関係については全く分析されていない。今回収集した史料からは両者間にはらまれていた諸矛盾が具体的に明らかにできそうである。またそもそも日田金として有名になる程の蓄積がなぜ日田で可能だったのか、他地域幕領の公金輸送のあり方などと比較しながら検討することもできそうである。
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Research Products
(1 results)