2003 Fiscal Year Annual Research Report
南東マヤ地域における都市の形成過程に関する考古学的研究
Project/Area Number |
15720185
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
寺崎 秀一郎 早稲田大学, 文学部, 講師 (90287946)
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Keywords | 考古学 / マヤ |
Research Abstract |
ホンジュラス共和国、コパン県ラ・ヒグア市に所在するエル・プエンテ遺跡において発掘調査を実施した。調査対象は中心グループ西端の建造物6を中心とし、現状確認のための測量調査を実施した後、保存状態のより良好な建造物6の上部構造部分の発掘をおこなった。その結果、3つの部屋が存在し、内部に崩落した屋根構造は疑似アーチをもつ荒石積みであったことを確認した。また、主室のベンチも約4mの長さがあり、同遺跡中最大規模である。中心グループ内で建造物6が占める位置や今回の調査結果から同遺跡の支配者の居住用マウンドであった可能性も高まった。ホンジュラス国立人類学歴史学研究所と協議の上、将来的な保存修復も勘案し、建造物6の発掘調査部分には可動式の屋根を設け、継続的に調査することにした。また、建造物6、および7の背面に位置する建造物8についても建造物6・7との関連を明らかにするために試掘謂査をおこなったが、その結果、漆喰の床を伴う基壇であることを確認した。基壇の南北にはプラサからのアクセスのための階段構造も良い状態で保存されている。今回の調査地点は、10年以上にわたるエル・プエンテ遺跡の調査の中でも、未調査地点であり、重要な知見が得られた。調査結果の詳細については"INVESTIGACIONES DE LAS ESTRU CTURAS6,7 Y 8 EN EL GRUPO PRINCIPAL DEL SITIO EL PUENTE : Informe Preliminar de OPERACION XIII"を作成した。なお、今回の調査成果については、現地での関心も高く、9月27日付けで地元有力紙であるLa Prensa紙で報道された(http://www.laprensahn.com/nacionales.php?id=877&tabla=September_2003&fecha=20030927)。
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