2003 Fiscal Year Annual Research Report
専門訴訟における民事訴訟法の諸原則の変容と新たな規律
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15730046
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
杉山 悦子 一橋大学, 大学院・法学研究科, 助手 (20313059)
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Keywords | 鑑定 / 文書提出命令 / 特許侵害訴訟 / 営業秘密の保護 |
Research Abstract |
本年度は、アメリカ、フランス、ドイツの民事訴訟において専門家の意見を入手するための制度を調査した結果を公表した。このうち、ドイツやフランスの鑑定制度は、裁判官が鑑定人を選任する点において、日本法の鑑定制度と類似しているため、日本の鑑定のあり方、とくに当事者の手続権の保護のあり方について多くの示唆を得た。加えて、当事者が専門家を選任する専門家証人の制度を採用してアメリカ法からは、日本で最近見直されつつある私鑑定制度のあり方について、参考になる視点を多く得た。 また、特許権を中心とする知的財産権の侵害訴訟を念頭において、権利者による侵害行為の立証を容易化するために、権利者が侵害者や第三者の手元にある証拠へのアクセスを容易にするとともに、これらの手続において相手方当事者の秘密が不当に開示されないようにするための各国の制度について研究を行った。このうち、日本の制度として、民事訴訟法上規定されている、一般的な文書提出命令や、特許法や不正競争防止法などに規定されている文書提出命令の特則について比較検討を行った。まず、民事訴訟法上の文書提出命令は、「技術または職業上の秘密」に関する文書については提出義務を免除しているが、ここで掲げる意味について、最高裁決定を素材に見解を示し、また、特別法上の文書提出命令については、特段の事情がある場合には提出義務が免除されるが、これと営業秘密との関係についても論究した。また、諸外国における、同様の制度である文書提出命令と営業秘密の関係、フランスにおける侵害物の差押えの制度などの特別な制度についても紹介を行った。さらに、この問題と関連して、ドイツやフランス、ベルギーにおいて、営業秘密が関係する場合の裁判の非公開制度について紹介した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 杉山悦子: "文書提出義務と「技術または職業の秘密」(民訴法197条1項3号)"法学協会雑誌. 120.3. 625-636 (2003)
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[Publications] 杉山悦子: "不正競争防止法における侵害行為の立証か及び営業秘密の保護"知的財産保護強化に向けた不正競争防止のあり方に関する調査研究報告書. 5-15 (2003)
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[Publications] 杉山悦子: "民事訴訟と専門家-専門家の訴訟上の地位と手続規律をめぐって(1)"法学協会雑誌. 120.4. 637-716 (2003)
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[Publications] 杉山悦子: "民事訴訟と専門家-専門家の訴訟上の地位と手続規律をめぐって(2)"法学協会雑誌. 120.8. 1550-1616 (2003)
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[Publications] 杉山悦子: "知的財産訴訟制度の国際比較"別冊NBL. 81. 62-74, 124-160 (2003)
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[Publications] 杉山悦子: "民事訴訟と専門家-専門家の訴訟上の地位と手続規律をめぐって(3)"法学協会雑誌. 120.9. 2031-2100 (2003)