2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730061
|
Research Institution | Wakkanai Hokusei Gakuen College |
Principal Investigator |
一戸 信哉 稚内北星学園大学, 情報メディア学部, 助教授 (50326625)
|
Keywords | サイバー攻撃 / サイバーセキュリティ / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
16年度は引き続き、資料の収集を継続しつつ、研究成果の成果の発表を急がず、とりまとめを進行させた。15年度の研究報告により明らかになった課題に対応して、新たな資料収集と検討を行ったことによる。 国外では、英国・香港を訪問し、英国系書店からの出版物を中心とした資料収集、現地関係者からの情報収集を行った。国内でも、情報ネットワーク法学会ほか、各種学会、研究会に精力的に参加し、こうした機会をとらえて関係者との意見交換や、資料収集を実施した。 こうした活動を通じて明らかになったことは、本研究において追求すべき内容は、国際法上の関心事項となる狭義の「サイバー攻撃」に限定されず、「サイバーセキュリティ」「情報セキュリティ」あるいは「知的財産の保護」まで包含するきわめて広範なものである、ということである。 今年度の研究活動では、当初の構想であったところの国際法上の「サイバー攻撃」の位置付けという枠組みを中軸にすえつつ、「サイバー攻撃」概念およびその周辺にある諸課題との関係が次第に明らかになってきている。国際法学の関心に必ずしも限定せず、ネットワーク社会全体の関心としての「サイバーセキュリティ」ないし「情報セキュリティ」概念との比較検討やその関心内容の明確化を行うことを検討している。 次年度は最終年度にあたり、2年間の成果を取りまとめ、論文、著書の形で世に問うことができるよう、準備を進めている。情報ネットワーク法からの関心をこたえることはもちろんのこと、国際法学の伝統的枠組からの議論にも対応できる、研究成果が出せるようよりいっそう精力的な研究活動を行う予定である。
|