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2003 Fiscal Year Annual Research Report

地域安全保障における信頼醸成措置概念の再構築

Research Project

Project/Area Number 15730082
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

坪内 淳  山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (60303393)

Keywords信頼醸成措置 / 国際安全保障 / 地域安全保障 / 欧州安全保障 / アジア太平洋地域 / アメリカ外交安全保障
Research Abstract

本年度はとくにイラク戦争とその後の国際情勢の急展開を背景に、本課題研究の概念的基盤を固めるために、当初計画していた欧州安全保障関連の検証作業と同時並行で、地域安全保障に重大な影響を及ぼすアメリカの外交安全保障政策を検討課題に含めた。欧州安全保障については、とくにOSCEに関して、その役割が近年大きく変質し、域内の紛争予防や民主化支援にシフトしていることが確認された。信頼醸成措置については、事実関係の報告は存在するが、これを広く地域安全保障の文脈の中で位置づける試みは欧州ではほとんど発見できない。現在の欧州地域安全保障の中で信頼醸成措置が理論的にあるいは実際的にどのような評価をうけているかは非常に不明確で、この概念をより包括的に整理しようとする本研究の射程と方向性の判断はこの点からも容易ではないが、これについては文献のみの検討ではきわめて不十分であることから来年度以降の課題としたい。信頼醸成措置を地域安全保障の中で捉えていこうとする方向性はむしろアジア太平洋地域のほうにみられる。ここではとくに911テロ後に単独行動主義的色彩を強めたアメリカの外交安全保障政策への対応に各国が苦慮する一方で、地域的な多国間枠組あるいは地域的一体化への取り組みは、FTAなどとくに経済貿易などの側面および社会文化的分野で急速な展開を見せていることが明らかとなった。しかし同時に、この地域では各国のナショナリズムや反目、対立が依然として地域安全保障の安定性を大きく損なっており、本研究の機軸のひとつである「安全保障認識の共有化」の観点をどのように適応できるかは興味深い。さらに大統領選挙後のアメリカの外交安全保障政策の変化も視野に入れつつ来年度以降より詳細な研究を進めたい。

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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