2003 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦後米国の中東政策―国内政治要因としての米国内ムスリムの動向研究
Project/Area Number |
15730085
|
Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
泉 淳 東京国際大学, 経済学部, 助教授 (70337476)
|
Keywords | 米国 / 中東政策 / ムスリム |
Research Abstract |
1.当該研究に関する先行研究文献(書籍)を重点的に収集し、文献リストを作成した。 2.当該研究に関するインターネット上での情報(新聞記事・論文・書評・コラム等)をパソコンを利用して収集し、インデックス化されたデータベースを作成した。 3.平成15年12月に、米国ロサンゼルスで行われたISNA (Islamic Society of North America)の地区大会に参加し、米国内ムスリムの現状、特に政治的動向のついて取材・聞き取り調査を行った。同時に、米国の中東・イスラーム地域研究者との意見交換なども行った。 4.上記1.〜3.の情報を基にし、近年の米国内ムスリムの政治動向の分析を開始した。暫定的な見解として、90年代に政治的諸活動に関心を持ち始めた米国内ムスリムは、2001年の「9.11テロ事件」を契機に飛躍的に政治的発言を増大させていることが観察された。また、特に2004年は米国大統領選挙の年であり、米国内ムスリム諸団体および個人が、さらに政治的諸活動を活発化させていることが観察された。 5.米国ムスリムの政治的発言能力について、パレスチナ問題やカシミール問題のような海外でのムスリムの関与する問題に関し米国政権に対する影響力はきわめて小さい。米国はムスリムはこのような影響力の限界を意識し、2004年の大統領選挙をはじめとする政治分野でのアジェンダとして、"Civil Rights Plus"というスローガンを掲げ、国際問題からみずからの生活に直接関係する国内問題に特化した政治活動に力点をシフトさせてきていることが観察された
|