2004 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦後米国の中東政策-国内政治要因としての米国内ムスリムの動向研究
Project/Area Number |
15730085
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
泉 淳 東京国際大学, 経済学部, 助教授 (70337476)
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Keywords | 米国 / 中東政策 / ムスリム |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、当該研究に関する先行研究文献(書籍)を重点的に収集し、文献リストを作成・更新した。 2.昨年度に引き続き、当該研究に関するインターネット上での情報(新聞記事・論文・書評・コラム等)をパソコンを利用して収集し、インデックス化されたデータベースを作成・更新した。 3.2004年(平成16年)9月に、米国シカゴで行われたISNA (Islamic Society of North America)の年次全国大会に参加し、米国内ムスリムの現状、特に政治的動向のついて取材・聞き取り調査を行った。同時に、米国の中東・イスラーム地域研究者との意見交換なども行った。 4.上記1.〜3.の情報を基にし、近年の米国内ムスリムの政治動向の分析を行った。分析結果の一つとして、90年代に政治的諸活動に関心を持ち始めた米国内ムスリムは、2001年の「9.11テロ事件」を契機に飛躍的に政治的発言を増大させていることが確認された。また、特に2004年は米国大統領選挙の年であり、米国内ムスリム諸団体および個人が、さらに政治的諸活動を活発化させていることも確認された。 5.上記研究成果については、論文「米国ムスリムの政治的関与-ムスリム諸組織と大統領選挙」としてまとめ、『東京国際大学論叢』に掲載した。 6.また、2004年11月に行われた米国大統領選挙の際、米国のムスリムが具体的にどのような政治活動と投票行動を行ったかについて、継続して研究分析を行っている。投票行動については出口調査などから、投票した米国ムスリムの7〜8割がJ・ケリー民主党候補に投票したことが明らかになっている。これは2000年大統領選挙の際に、G・ブッシュ共和党候補が米国ムスリムの7〜8割の票を獲得したことを考慮すれば、米国ムスリムの政治志向の大転換を示唆している。
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Research Products
(1 results)