2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730092
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
清水 崇 関西大学, 経済学部, 専任講師 (80323468)
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Keywords | 貨幣 / 探索理論 / 定常均衡の実物的非決定性 / 貨幣の分割可能性 / 課税-補助金政策 / 均衡の存在 / コミットメント / 貨幣の保有分布 |
Research Abstract |
論文"Tax-Subsidy Schemes in Money Search Models"(神谷和也氏との共著)を日本経済学会秋季大会で報告,その後,改訂論文"On the Role of Tax-Subsidy Scheme in Money Search Models"(神谷和也氏との共著)を作成した(現在Econometrica誌に投稿中).この論文では,Kamiya and Shimizu(2002)で貨幣の探索理論(search theory of money)においては厚生水準が異なる無数の定常均衡が存在すること(「定常均衡の実物的非決定性」("Real Indeterminacy of Stationary Equilibria"))が示されたことを受けて,ある種の「課税-補助金政策」(tax-subsidy scheme)が任意の定常均衡を局所-意的に近似することを示した.すなわち,「課税-補助金政策」は経済を安定的にするとともに,望ましい状態へ誘導することが可能であることを示した.論文"Tax-Subsidy Schemes in Money Search Models"(神谷和也氏との共著)を日本経済学会秋季大会で報告,その後,改訂論文"On the Role of Tax-Subsidy Scheme in Money Search Models"(神谷和也氏との共著)を作成した(現在Econometrica誌に投稿中).この論文では,Kamiya and Shimizu(2002)で貨幣の探索理論(search theory of money)においては厚生水準が異なる無数の定常均衡が存在すること(「定常均衡の実物的非決定性」("Real Indeterminacy of Stationary Equilibria"))が示されたことを受けて,ある種の「課税-補助金政策」(tax-subsidy scheme)が任意の定常均衡を局所-意的に近似することを示した.すなわち,「課税-補助金政策」は経済を安定的にするとともに,望ましい状態へ誘導することが可能であることを示した. また論文"On the Existence of Single-Price Equilibria in a Matching Model with Divisible Money and Production Cost"(神谷和也氏,森下哲嗣氏との共著)を作成した(現在International Journal of Economic Theory誌へ改訂要求後再投稿中).貨幣が分割可能な場合の貨幣の探索理論モデルは一般的に複雑であることが知られており,一般的な均衡の存在定理は存在しない.この論文では,従来,一般的な均衡の存在が保証されていなかったZhou(1999)モデルにおいて,Kamiya and Shimizu(2002)で主張された手法を用いて,一般的な貨幣均衡の存在の十分条件を示した. また論文「貨幣の探索理論的モデルにおけるコミットメントの効果」を『関西大学経済論集』に発表した.この論文では,すべての経済主体が売り手になるか買い手になるか事前にコミットしなければならないような貨幣の探索理論的モデルにおける定常均衡の一般的特徴づけを行った.その結果、すべての定常均衡において,必ず貨幣保有分布は上限を持ち,またその上限は最高取引価格によって特徴付けられることを明らかにした.
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Research Products
(2 results)