2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリンジャー距離最小化によるロバストな潜在変数パラメータ推定法の開発とその応用
Project/Area Number |
15730103
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高田 輝子 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 講師 (30347504)
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Keywords | ヘリンジャー誤差 / 確率密度推計 / ノンパラメトリック / 潜在変数 / 確率ボラティリティーモデル / ロバスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、研究代表者が既に提案しているSimulated Minimum Hellinger Distance(SMHD)法によるパラメータ推計の精度及び利便性を更に向上させ、他推計法に対する優位性を数値的・解析的に示すことである。SMHD推計効率向上には、複数の1変数確率密度を組み合わせることで情報量を増やすのが効果的である。まず複数のモデルについて推計効率を最大化する変数の組合せを探索し、その過程で一般的な変数選択アルゴリズムの解明を試みる。探索の拠り所はいくつかの乱数に関するポテンシャル曲面(Hellinger誤差をパラメータ値の関数として描いた曲面)の形状である。 本年度は、来年度実施予定のSMHD推計の最適効率推計アルゴリズム探索のための下準備を、以下の3点について同時並行的に行い、後述のような結果を得た。 1.SMHD法の推計時間の短縮 数値実験では莫大な回数のSMHD推計が行われるため、計算速度の高速化が非常に重要である。本年度は、C言語やRによる既存のSMHD推計プログラムを改良し、新規追加プログラムを作成した。ハード面での環境整備も行った。これにより、計算時間が短縮された。また、アルゴリズム探索のための重要変数がグラフの形でリアルタイムで確認できる環境が整った。 2.Hellinger偏差検定統計量の導出 Simpson(1989)によるiidデータの密度推計値と真の密度についてのHellinger偏差検定統計量(ポテンシャル曲面の描写に現在使用中)を、SMHD法にも適用可能にすべく、関連の論文等を収集し、現在、式変形の作業中である。 3.ポテンシャル曲面の効果的な視覚化方法の探索 最適効率推計アルゴリズムの探索を容易にする観点から、MATLAB、Splus、Rを使って、複雑な形状の多次元ポテンシャル曲面を効果的に視覚化する方法を探り、いくつかの新しい表現方法を得た。
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