2003 Fiscal Year Annual Research Report
セカンドベスト下での各種廃棄物処理・リサイクル政策の比較分析
Project/Area Number |
15730109
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新熊 隆嘉 東京外国語大学, 助教授 (80312099)
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Keywords | 廃棄物・リサイクル政策 / 耐久消費財 / 独占市場 |
Research Abstract |
本研究の目的は、主として耐久消費財の廃棄物処理・リサイクル政策のあり方について研究することである。平成15年度においては、分析の基礎となる耐久消費財モデルの構築を行った。消費者の選好が同質的か非同質的であるかによって結果は異なるが、主要な結果は次のようである。まず、消費者の選好が同質的である場合、新品から新品への買い替え、新品の継続的使用、中古品から中古品への買い替え、中古品から新品への買い替えのすべてのオプションが無差別となること、さらに、市場において中古品の質に対する保証制度が完備されれば競争均衡が社会的に最適な状態を達成していることをはじめとする基本的な事実が確認された。 次に、消費者の選好が非同質的である場合、消費者の耐久消費財に対する支払意思額の大きさに対応して、新品から新品への買い替えを選択する消費者、中古品から中古品への買い替えを選択する消費者、耐久消費財を保有しない消費者の3つに市場が分割されることが確認された。 また、消費者の選好が非同質的であることに加えて耐久消費財市場が独占市場である場合、独占者が選択する耐久消費財の耐久性は社会的最適な水準と比較して大きくも小さくもなりうることがわかった。これは独占者が消費者のリペアに関する判断(リペアして中古市場に売却するか、廃棄するか)を考慮するからである。 現在は、上記の独占市場モデルのなかで、廃棄物処理費用の支払い時点(新品購入時点か廃棄時点)を変えることによってどのような違いが生じるのかについて研究中である。
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