2003 Fiscal Year Annual Research Report
親子間経済格差と子の就業行動および家族形成への影響
Project/Area Number |
15730126
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
滋野 由紀子 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (90291434)
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Keywords | 世代間格差 / フリーター / パラサイトシングル / 就業行動 / 就業意識 / 家族形成 / 同居 / 居住形態 |
Research Abstract |
近年、わが国では、若年者の就業意識や就業行動、家族形成のあり方に大きな変化が見られる。学校卒業後も定職に就かなかったり、単身のまま親から経済的援助を受けながら同居を続ける若者が増えている。いわゆる「フリーター」や「パラサイト・シングル」と呼ばれる若者の増加が顕著である。そのことによる将来の多方面への影響が大変危惧されており、社会の大きな関心事となっている。そこで本研究では、親世代と子ども世代の世代間経済格差に着目し、子ども世代の就業意識や就業行動、家族形成に及ぼす影響を理論的、実証的に分析することにした。そのためには、同居、別居を含めた親と子、両者の経済状態、就業状態等に関する詳細な情報が必要不可欠である。しかし、大抵の調査は世帯単位のため同居、別居の親子の情報がともに含まれている既存のデータ・ベースは入手できない。したがって本年度は、独自のアンケート調査の設計、実施をし、データ・ベースの構築を行った。 アンケート調査は、学校を卒業した20歳代の男女とその親を対象に郵送法で行った。調査内容は、親子間の経済関係、家族形態、職業、勤め先の情報、所得、住居形態、教育歴等である。標本抽出に関しては、同居世帯であっても二世帯に別れていることもあり得ること、また必要な情報が個人や世帯の経済状態という繊細な特質を持つという点においても、親子の情報を同時に得るためたは、住民基本調査台帳や電話帳を用いたランダムな標本抽出ではスクリーニシグに多大な費用がかかることが予想され、しかも回収率も低くなることが見込まれるので、限られた予算内で効率的にデータを得るために、調査会社が管理しているモニターからランダムに抽出することにした。
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